2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of methods to upregulate the number of primordial follicles by activation of autophagy to improve lifelong fertility in mammals
Project/Area Number |
17K19316
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
木村 直子 山形大学, 農学部, 教授 (70361277)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 原始卵胞 / オートファジー / 新生仔 / 卵巣 / 生殖能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究から、新生仔期雌マウスのオートファジー(ATG)の促進は、原始卵胞プールを拡大し、性成熟後もそれらが維持され、生涯産仔数が向上することが明らかにされた。 最終年度では、1)形態学的解析を中心とするATG促進による原始卵胞数増加のメカニズムの解明、2)新生仔期卵巣の培養系でのATG促進効果の検証を中心に検討を行った。 1)については、ATG促進により原始卵胞数が増加した卵巣の体積や、卵巣内総卵母細胞数は顕著に変化していないことを確認した。次にLamininタンパク質を指標とする卵母細胞シストについて、経時的にシストサイズ毎(小:卵母細胞数2~4個、中:5~8個、大:9個以上) のシスト数の推移を評価した。小・中サイズのシスト数の推移は、対照区と顕著な差がないことを確認した。これらからATG促進により、シストの早期断片化が起こり、原始卵胞数が増加しているわけではないことが考えられた。一方ATG促進により、卵母細胞内Golgi特異的タンパク質GM130の形態を指標とする優勢卵母細胞の比率は、小サイズのシストで高くなり、アポトーシス指標であるCleaved PARPやγH2A.Xを発現する卵母細胞の比率は、低くなる傾向があった。以上から、ATG促進により、小サイズシストの優勢卵母細胞数が増加することで、卵の生存性が向上し、形成される原始卵胞数が増加していることが明らかとなった。 2)については、新生仔期マウスの卵巣培養系でのATG促進の効果を検証した。C57BL/6J 系とICR系マウスのいずれも3日間のATG誘導剤添加により、顕著に原始卵胞数が増加した。その後7日間培養後の二次卵胞数も、添加区で高い傾向がみられた。以上から、卵巣培養系でも生体と同様なATG促進の効果が認められ、適切なATG誘導剤添加条件を検討することで、原始卵胞形成のための効率的培養系が構築できることが示された。
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