2018 Fiscal Year Research-status Report
病原体伝播を阻止するマダニの遺伝子改変ドライブの開発
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17K19328
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田仲 哲也 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (00322842)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | マダニ / ノックダウン / ノックアウト / 感染防御分子 / 鉄 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
[全体構想] 近年標的配列選択の自由度が高く、作製の簡便なCRISPR/Cas9ゲノム編集システムが開発され、これまで標的遺伝子の改変が困難であった生物でのゲノム編集が可能となった。しかし、マダニ遺伝子機能の解析ではRNA干渉法による遺伝子破壊が用いられてきたが、ノックアウト技術は確立できていない。そこで、研究代表者はCRISPR/Cas9システムに着目し、マダニの感染防御に関わる遺伝子ノックアウト技術の確立を試み、これらを用いた感染症モデルを作製することを本研究の主要目的とする。 [今まで得られた研究実績]マダニのウイルス感染防御に関わる遺伝子を同定するために、ウイルス感染防御に関わることが予想されるディフェンシン、スカベンジャーレセプター遺伝子を標的として、これらの遺伝子をノックダウン後、ウイルス感染実験を行った。これらのマダニにランガットウイルスを肛門接種によって感染させた後、マダニの生存率やマダニのウイルス感染量を調べることによって、ディフェンシン、スカベンジャーレセプター遺伝子の感染防御の役割について検討したが、マダニの生存率やウイルス感染量はノックダウン未処置群と比べて、大きな差は認められなかった。次に、遺伝子操作系を確立する上で必要となる、マダニ細胞内で外来遺伝子を高発現する遺伝子発現ベクターの探索並びに構築した。その結果、マダニアクチン遺伝子の推定プロモーター配列に引き続きマダニフェリチン遺伝子の推定プロモーター配列を決定することに成功し、その活性部位も同定した。このプロモーターは鉄濃度によってスイッチをオン・オフすることが可能であり、マダニ遺伝子操作系の確立において、鉄濃度依存による遺伝子発現ベクターとして使用できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マダニのウイルス感染防御分子は同定できていないが、マダニ細胞を用いた遺伝子ノックアウト、遺伝子導入の実験系が確立されつつある。これらの研究成果は論文に公表されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者はCRISPR/Cas9システムを用いて、これまで通りマダニ細胞やマダニの遺伝子ノックアウト技術の確立を行う。ノックアウト技術が確立できたら、引き続きノックイン技術の確立をめざしていく。また、新たにマダニのウイルス感染防御分子の同定をおこなっていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初計画していたディフェンシン遺伝子ノックアウトマダニを作製し、そのマダニにウイルスを感染させた結果、当初の予想に反し、ディフェンシンによる影響が認められなかった。そのため、その問題を解決するために新たな標的分子として、ディフェンシンと同様の抗微生物活性をもつ可能性があるグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)に焦点を絞った。その結果、GST遺伝子ノックアウトマダニを作製する必要性が生じた。そのため、物品の購入が滞ってしまった。しかし、現在は順調に計画は進んでいる状況である。 (使用計画) 平成31年度の予算使用計画は分子生物学用消耗品が主であり、その他、研究打ち合わせ・研究成果発表のための旅費、人件費・謝金、論文投稿料として使用するつもりである。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Hemolymph defensin from the hard tick Haemaphysalis longicornis attacks Gram-positive bacteria2018
Author(s)
Yada, Y., Talactac, M. R., Kusakisako, K., Hernandez, E. P., Galay, R. L., Andoh, M., Fujisaki, K., and Tanaka, T.
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Journal Title
J. Invertebr. Pathol.
Volume: 156
Pages: 14-18
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Induction of intracellular ferritin expression in embryo-derived Ixodes scapularis cell line (ISE6)2018
Author(s)
Hernandez, E. P., Kusakisako, K., Talactac, M. R., Galay, R. L., Yoshii, K. and Tanaka, T.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 8(1)
Pages: 16566
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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