2017 Fiscal Year Research-status Report
最新ゲノム編集法によるネコ型GAPDHノックイン新規アルツハイマー病モデルの開発
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17K19330
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中嶋 秀満 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (30405360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳩谷 晋吾 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40453138)
秋吉 秀保 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50420740)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 獣医薬理 / ゲノム編集 / モデル動物 / ネコGAPDH / アルツハイマー型認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、ゲノム編集を効率的かつ迅速に実施する為に、受精卵用電極付エレクトロポーレーターを購入し、本学では初となる哺乳類でのゲノム編集の準備を実施した。具体的には最も遺伝子導入効率の高いとされるNEPA21(ネッパ―ジーン社)を購入し、本学動物科学研究センターへのセットアップを実施した。また、Technique for animal knockout system by electroporation (TAKE法)を用いたゲノム編集方法を採択し、体外受精によるマウス受精卵作製法を確立した。さらに、アルツハイマー病モデルマウスへの、ネコGAPDHノックインの為のsingle guide RNA (sgRNA)のデザインを実施し、次年度マウス作製へ向けての準備状況を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネコGAPDHをアルツハイマー病mモデルマウス(3 xAD Tg)のGAPDH遺伝子座にノックインする為に、マウス受精卵を用いたTAKE法を採択することにした。まず、体外受精によるマウス体外受精卵の調製を行い、蛍光色素を用いてTAKE法での遺伝子導入の電圧・パルスなどの条件を最適化した。次に、ゲノム編集を実施する為のsingle guide RNA (sgRNA)の設計を行った。マウスGAPDHにはバリアントが2種類あり、バリアント2が本研究のターゲット遺伝子であることを同定出来たため、バリアント2上のexon2におけるPAM配列を含む標的遺伝子座を同定した。また、9個のsgRNA候補をCHOPCHOP法にて設計し、編集効率およびオフターゲット効果の少ないと見積もられるsgRNAを3個デザインし、合成した。現在、どのsgRNAが最も効果的にゲノム編集を達成しえるかを、受精卵への遺伝子導入を用いて鋭意検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のsgRNAの最適化を実施し、TAKE法により、まず、ゲノム編集の本学初となる手技を確立するために、マウスGAPDHのノックアウトマウスを作製する。また、ポジティブコントロールとして、チロシナーゼ遺伝子を標的としたTAKE法でのノックアウトマウスを作製する(体毛がアルビノに変化するので表現型解析が容易である)。次に、本研究の目的であるネコGAPDHをノックインすることで、目的の3大徴候を示す新規アルツハイマー病モデルマウスを開発する。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集に関する法制度が確立されておらず、また、本学においても、初の哺乳類ゲノム編集研究であったことから、本学動物実験倫理委員会からの認可に時間を要し、次年度スタートダッシュがすぐに出来るように、今年度はゲノム編集実験のセットアップに終始したため。
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