2018 Fiscal Year Research-status Report
細胞融合にかかわる内在性レトロウイルス由来遺伝子の同定および機能解析
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17K19359
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上田 真保子 東海大学, マイクロ・ナノ研究開発センター, 特定研究員 (60760353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三橋 里美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40466222)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | トランスポゾン / 細胞融合 / RNA-seq / 性差 / ERV / myoblast / osteoblast / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、筋細胞や破骨細胞が分化時に細胞融合するメカニズムを解明するため、細胞融合に関わる新規ERVを探索することである。そのため細胞膜融合能をもつタンパク質ドメインであるenvelopeもつERV由来の遺伝子候補の特定を行った。具体的には、マウスの骨格筋芽細胞(myoblast)と骨芽細胞 (osteoblast)をもちいてRNA-seqを実施し、分化融合時に発現する新規ERV由来の転写物を調べた。一般的に、ERVは発現量が少ないものが多く、個体毎、また分化の時期などで発現量が変動しやすい。そこで、本研究で作成したマウスの細胞(初代培養)をもちいたRNA-seqデータを、様々な特徴が異なる解析プログラムで発現解析し、発現量が大きく変動する転写物とそうでない転写物を詳細に比較解析した。その結果をもちいて、実際に、候補となるERVのクローニングやqPCRによる発現確認を行い、もっとも発現が確からしいERV候補を得ることができた。特に、これまでオスのmyoblastの融合に関与するとされてきたERV由来の既知遺伝子Syncytinとは別の、新しいERV候補配列を特定することができたことから、現在、詳細な機能を調べるための機能解析に着手しているところである。これらの候補は、細胞が異なる性別や個体由来であるか、初代培養かCell line由来であるか、といった培養条件の違いに発現が影響されず、どのmyoblastやosteoblastでも似たような発現を示すことがわかっている。また、osteoblastとmyoblast双方で共通に発現しているERV候補もあり、特に強力な候補になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多少、実験計画に遅れが出ているが、おおむね順調に進捗している
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、ウイルス由来のタンパクドメイン領域のみを新しく予測したアノテーションをもちいる。そのため機能解析を行う際に、様々な条件を試す必要があり、機能解析を完了するにはもう少し時間がかかると考えている。配列解析自体は、同時進行で進行する計画である。
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Causes of Carryover |
前年度のRNA-seqの実施が遅れたことに加え、細胞学的な発現解析、機能解析の詳細な条件検討に時間がかかったことから、実験計画に遅れが生じたため。
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Research Products
(6 results)