2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of transformed cyanobacteria and plants with increased ATP content
Project/Area Number |
17K19384
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山田 晃世 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30293012)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ラン藻 / 生育促進 / ATP / 遺伝子組換え植物 / シャペロン |
Outline of Annual Research Achievements |
Synechococcus sp. NKBG15041cは極めて増殖が極めて早い事が知られている海洋ラン藻である。当研究室では大腸菌を用いた機能スクリーニング法で高増殖の原因遺伝子の探索を進めてきた。このうち本研究ではc32.05に着目し、c32.05ノックダウン株を作出し、その生育に関するキャラクタリゼーションを行うことを目的とした。さらに、異種ラン藻 (Synechocystis sp. PCC6803)に対し、c32.05を発現株を作出し、生育やストレス耐性への影響を明らかにする。さらに本研究ではc32.05を発現するシロイヌナズナを作出し、生育への影響を明らかにすることを目的とした。その結果、c32.05を発現する大腸菌やラン藻Synechococcus sp. PCC6803の形質転換体の作出に成功した。得られた各形質転換体には生育の促進と耐熱性の向上等が確認された。また、末端対合アンチセンス法により、Synechococcus sp. NKBG15041cのc32.05ノックダウン株を作出したところ、c32.05の顕著な発現抑制が確認された。この形質転換体には、各種ストレス下での生育抑制が確認され、c32.05の発現が、Synechococcus sp. NKBG15041cの高い増殖能やストレス耐性に極めて重要な役割を担っていることが明らかになった。さらに、本研究ではc32.05を発現する形質転換シロイヌナズナの作出にも成功した。今後は今年度得られた形質転換植物(シロイヌナズナ)の生育に関するキャラクタリゼーションを進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
末端対合アンチセンス法により、Synechococcus sp. NKBG15041c に対し、c32.05遺伝子の発現量が約80%まで低下した、ノックダウン株の作成に成功した。ノックダウン株には、非ストレス下での生育の低下の他、耐熱性の低下が確認された。また、Synechocystis sp. PCC6803にc32.05を導入した結果、得られた形質転換体には、生育の促進が認められ、特に強光条件下において顕著な生育促進の傾向が認められた。さらに、c32.05を発現した形質転換大腸菌における場合と同様に、耐熱性が向上していることが確認された。さらに、今年度はCaMVプロモーターを用いて、c32.05を発現する形質転換シロイヌナズナの作出を試みた。その結果、複数のT1種子を得ることができた。種子を無事に獲得できたことから計画通りの研究を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
c32.05の発現は、大腸菌やラン藻に対し、生育促進をもたらすことが確認された。また、Synechococcus sp. NKBG15041c 自身の増殖期初期にもc32.05が強く機能していることが推察された。今後はc32.05を過剰発現する形質転換シロイヌナズナを作出し遺伝子の発現と植物の生育への影響を解析する予定である。
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Research Products
(2 results)