2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K19416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野崎 智義 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60198588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サントス ハルベルト・ヒメネス 国立感染症研究所, 寄生動物部, 研究員 (90793779)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 進化 / オルガネラ / ミトコンドリア / 代謝 / 内部共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
赤痢アメーバからEntamoeba属に特異的な新規マイトソーム膜貫通型タンパク質であるETMP1を発見した。インシリコ解析により1つの膜貫通領域と2つのcoiled-coil領域を有していた。N末端HA標識付加したETMP1を発現させた原虫株を作出し、間接蛍光抗体法によりETMP1がマイトソームに局在することを確認した。更に炭酸ソーダ処理による分画並びに免疫電顕観察によりETMP1はマイトソーム膜に挿入されていることが明らかとなった。ETMP1 ~90 kDaと180 kDaの2種類の複合体を形成した。免疫沈降法によりタンパク質相互作用によりETMP1と結合するタンパク質を質量分析により同定したところ、Eps15 homology-domain (EHD)を有するタンパク質EHD1とEHD2が同定された。N末HA標識したEHD1とEHD2を発現する株を確立し、間接蛍光抗体法によりEHD1, 2が小胞及び小胞とマイトソームの接合部位に局在することを確認した。小胞上のEHD1,2はレトロマー複合体の構成タンパク質の1つであるVps26と共局在した。更にテトラサイクリン誘導型発現株を用いてN末HA標識したEHD1を発現させたところ、小胞同士の結合部位や内部陥入部位に蓄積が観察された。EHD1は multi-vesicular body の形成に関与することが示された。EHD1とEHD2を大腸菌組換えタンパク質として発現・精製し、ATPase活性並びに膜結合活性を確認した。PIPsに高親和性を示し、膜結合活性はEHD2がより高かった。研究計画はほぼ予定通り展開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミトコンドリアと小胞とのコンタクトサイトに局在し、その形成に関与するタンパク質を発見したことは、新規オルガネラ発見への端緒となり、ほぼ予定通り研究は展開している
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Strategy for Future Research Activity |
今後ETMP1並びEHD1の機能を様々な生化学的方法、逆遺伝学的手法、細胞生物学的手法により解明を続ける予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度に計画していた人件費への利用を行わなかったため、次年度に持ち越し消耗品として利用する予定である
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Research Products
(2 results)