2017 Fiscal Year Research-status Report
Identification of a novel longevity factor by analyzing the long-lived fly populations "DR-evolved flies"
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17K19419
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
赤木 一考 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 組織恒常性研究PT, プロジェクトリーダー (30794424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRINDADE LUCAS 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 組織恒常性研究PT, 流動研究員 (80607466)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 食餌制限 / 老化 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
食餌制限による寿命延伸効果は、多くの生物種で観察されているが、その詳しいメカニズムは未だに不明である。我々は、食餌制限下で100世代以上継代飼育した長寿系統「DR-evolved flies」を作出しており、その長寿形質をもたらすメカニズムの解明に取り組んでいる。本年度は、分担研究者が事前に行っていたトランスクリプトーム解析と並行して、当研究所のメディカルゲノムセンター協力のもと、再度RNAseqデータの解析を行った。その結果、機能未知の遺伝子を含む19遺伝子を長寿形質に関わる可能性のある候補遺伝子として絞り込むことができた。興味深いことに、それらの候補遺伝子には、インスリンシグナリングパスウェイ、TORパスウェイなどの一般的によく知られている長寿関連遺伝子群が含まれていなかった。したがって、「DR-evolved flies」の長寿形質が、それらに依存しない経路によるものであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスクリプトーム解析によって、長寿形質に関わる可能性のある候補遺伝子を、寿命検定を行うにあたりリーズナブルな数まで絞り込むことができた。本年度の計画通り、現在それら候補遺伝子を順次ショウジョウバエの全身でノックダウンし、寿命への影響を調べている。しかし、研究室を立ち上げて間もないこと、人材不足、ショウジョウバエ系統の取り寄せに時間を要したことにより、当初の計画からは多少の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
絞り込んだ候補遺伝子の中に、寿命の調節に関わる遺伝子が含まれているのかどうかを明らかにするため、引き続きそれらの候補遺伝子を全身でノックダウンし、寿命への影響を調べる。寿命への影響が観察された遺伝子については、組織特異的なノックダウンも行い、寿命調節に重要な役割を持つ組織の特定を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、当初予定していたよりも寿命検定実験を行うことができなかったため、それらの予算を次年度に繰り越すこととし、今後の研究に必要となる汎用機器の購入費として使用した。次年度は、寿命検定に必要なショウジョウバエ飼育用バイアルやエサ等の消耗品費として使用する計画である。
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