2017 Fiscal Year Research-status Report
Neuronal basis underlying evolution of novel behavior
Project/Area Number |
17K19421
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松尾 隆嗣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70301223)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | テナガショウジョウバエ / Drosophila prolongata |
Outline of Annual Research Achievements |
進化発生学(Evo-Devo)は、モデル生物で発達した発生遺伝学の手法を非モデル生物に取り込むことにより、生物の多様な形態がいかにして生じたのか、その至近的メカニズムを多数明らかにしてきた。対して、行動の進化についての我々の理解は依然として限られている。本研究では、進化の過程で近縁種に見られない特徴的な求愛行動を獲得したテナガショウジョウバエに、キイロショウジョウバエで用いられる神経行動学の手法を導入して、どのような神経回路が新奇行動の獲得に関わっているのかを明らかにする。 今年度は、求愛行動時に活性化する神経回路を観察する目的で行うカルシウムイメージングのためのコンストラクトを作成した。Gal4/UAS発現システムに適用するため、UAS配列の下流にGCaMP6(f-typeとs-typeの2種類のうちのいずれか:N末にスペーサーを介してtdTomatoをフューズしてある)をつなげたテナガショウジョウバエ用の形質転換用ベクター(マーカーとしてvermilionを使用)を作成した。また、これらのコンストラクトを汎神経系で発現させるためのGal4ドライバーとしてnSyb-Gal4ベクターも合わせて作成した。この際、プロモーター配列は種ごとに機能分化している可能性があるため、nSybのプロモーターはテナガショウジョウバエからクローニングしたものを使用した。これらのコンストラクトをattP系統にインジェクションし、形質転換体を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、カルシウムイメージング用のコンストラクトを作成し、テナガショウジョウバエに導入できた。形質転換体はまだホモ接合化できておらず、したがってまだ動作確認は行っていないが、次年度の早いうちに系統として樹立できるものと思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
求愛行動時のカルシウムイメージングを可能にするためには、装置へのマウント方法について検討・最適化をする必要がある。こちらについても並行して行っていく。
|
Causes of Carryover |
内定時期が遅かったため、形質転換体の完成が年度終盤となり、今年度中の飼育資材の使用量が少なくなった。その分は次年度以降に必要となってくるので、使用目的を変更せずに支出する予定である。
|
Research Products
(2 results)