2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K19427
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
越川 滋行 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (30714498)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ショウジョウバエ / 模様 / 着色 / 機能 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ショウジョウバエ(ハエ目、ショウジョウバエ科の昆虫)の体表(腹部、翅)にあるメラニン色素による着色、模様に関して、その存在意義(適応的意義)を明らかにすることにある。様々な機能を仮定して、それらを実験により検証していくが、その際にゲノム編集技術によって作り出した模様の変異体を使うところが最もユニークであり、挑戦的な点である。模様の機能については未解明の点が多いが、科学者に限らず多くの人が興味を持つ課題であり、広告や迷彩など意匠として産業や文化的にも重要性を持つ。本研究をきっかけのひとつとして、より多くの生物の模様の意味が明らかになると期待している。 ミズタマショウジョウバエ (Drosophila guttifera) は、翅と腹部にメラニン色素による黒い水玉模様を持つ。この模様の機能は、全く分かっていない。ミズタマショウジョウバエには確立された系統資源がほとんどないため、実験を遂行するにあたり、ゲノム編集により翅の水玉模様を消去した系統を用いる。本年度は、昨年度までに作成していた、ミズタマショウジョウバエの模様に関与していると推定される遺伝子をゲノム編集によりノックアウトした系統の形質の評価を行った。特に模様の着色の程度を画像解析により定量化し、ノックアウト系統間での比較を行った。ゲノム編集された領域の周辺の塩基配列を詳細に調べ、どのような仕組みで遺伝子の機能が損なわれているのか評価した。また、模様の機能として考えられる仮説を整理し、行動実験の条件整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学内で実験室を移動した。引き続き、実験環境の再構築に時間を要した。基金なので実験計画の変更に柔軟に対処できるのはありがたい。
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Strategy for Future Research Activity |
実験環境や実験を行う体制は整いつつあり、最終年度はより研究が進むようにしたい。
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Causes of Carryover |
実験環境の構築に時間を要したため。来年度は当該助成金と来年度分を合わせ、より研究を推進するよう努力する。それに伴って消耗品等への使用が多くなる。
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Research Products
(3 results)