2019 Fiscal Year Annual Research Report
Developing the simulation model for evaluating the air-conditioning feature in the nasal passages of non-human mammals
Project/Area Number |
17K19428
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 剛 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (80452308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 太志 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (20633556)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 数値流体力学 / 鼻腔内温度 / 環境適応 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト以外の哺乳類における鼻腔内の気流と温度・湿度調節に関する数値流体力学的シミュレーションの計算モデルを開発した。前年度までに、鼻腔内の定点における鼻腔内気体の温度温度を実測した京都大学霊長類研究所のニホンザル生体個体をCTで撮像し、鼻腔の三次元デジタル形状データを作成した。形状の個体間変異はあるものの、いずれも共通した形状特徴を有していた。外鼻孔が外側に広く開口し、鼻弁が比較的広く、そこから鼻甲介に至るまでやや空間が空き、上中下の鼻甲介の形状は単純である。また、鼻腔全体が平坦で、ヒトのような上に湾曲した軌道は見られない。シミュレーション計算モデルの開発は、北陸先端科学技術大学院大学で開発されたヒト用モデルをベースとした。その鼻腔壁面モデルにおける熱と水の交換に関わる粘膜層のパラメーターを、ヒトの平均値とニホンザルの平均値との体重比により、補正した。つまり、層厚に相当する各パラメーターを体重比の三乗根を乗することで、体重に見合った粘膜層を算出した。鼻腔の三次元デジタルデータを用いてシミュレーションを実施し、その実測値とシミュレーション値との照合したところ、体重比に基づく補正を行ったシミュレーション結果は、ヒトのパラメーターをそのまま使ったものや、体重比に基づかない補正の結果よりも、優れていた。これら鼻腔壁面モデルの補正手法により、ある陸生哺乳類についてその鼻腔の三元形状データと体重データがあれば、その鼻腔内の気流と温度・湿度調節能力を比較的正確にシミュレーションできる。この成果は、哺乳類の鼻腔形態の変異と、嗅覚や温度・湿度調節能力に関する機能適応に関する比較研究に大きく資する。
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Research Products
(1 results)