2017 Fiscal Year Research-status Report
E-SAREと次世代GECIを活用した神経活動可視化操作ツールキットの創成と応用
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17K19442
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00291964)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / シグナル伝達 / 神経活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでの開発してきた多様な神経活動の細胞種特異的光学的計測・操作手法を結集し、長期記憶想起を制御する細胞ネットワークの活動の解明に資するツールの改良と実証と試みる。この目的を実現するため、細胞種特異的に光プローブ各種を発現するAAVウィルスベクターを作出し、個体動物におけるvalidationを実施した。具体的には、これまで手つかずだった青色を含めた4色のカルシウムインディケーターセットXCaMPによる4色同時イメージングを実現する条件を樹立した。また、神経活動操作のための、各種新規光操作プローブを導入し、それぞれについて、条件最適化を行い、長期記憶操作に最も優れている分子種の選択を行った。 一方、活動応答性人工プロモーターE-SAREの原理に基づき、長期記憶関連細胞ネットワークにのみ任意の遺伝子産物を特異的に発現させる遺伝子改変マウスを樹立し、その特異性に関する予備的検討を行った。その結果、恐怖記憶形成後において、光遺伝学的な記憶想起増強・減弱を引き起こせることが確認できた。そこで、今後、記憶細胞集団を標識可能なこのマウスラインを用い、長期記憶を光遺伝学的に操作しつつ、神経活動をも同時測計が可能か条件検討を開始した。 これらの実験を次年度にさらに最適化することにより、従来のシナプス可塑性シグナル解析と遺伝子改変動物の行動学的長期記憶解析との間の大きな溝を埋め、覚醒非拘束動物において記憶想起に必要かつ十分な細胞集団の神経活動動態計測が初めて実現する端緒となると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、光学的プローブを発現するウィルスベクター各種、さらには、長期記憶関連細胞ネットワークを選択的に標識可能な遺伝子改変マウスの樹立に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初計画に沿って、平成30年度の目標達成を目指していく。
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Research Products
(2 results)