2017 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲性検体(血液、尿)からの異常型タウタンパク質の特異的な増幅法の開発
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17K19460
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
布施 隆行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (30432975)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2018-03-31
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Keywords | 認知症 / 異常型たんぱく質 / 凝集体 / 神経変性 / タウ / アミロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
背景および目的。超高齢化社会における我が国において、認知症は深刻な社会問題となっている。認知症は、脳内に難溶性タンパク質がアミロイド凝集物として蓄積する神経変性疾患である。患者の脳や脊髄液では、認知症の発症前から、アミロイドが増加することから、早期鑑別診断する上で、これらを検出することは極めて重要になる。本研究では、認知症において特徴的な病理像を示す神経原繊維変化の主要タンパク質であるタウに着目した。タウは、アルツハイマー型認知症や前頭側頭様変性症など、さまざまな疾患で蓄積が認められている。早期発見、早期治療を目指し、我々が独自に開発したQuaking induced conversion (QuIC)法を応用し、タウを標的とした非侵襲性検体(血液、尿)からの超早期診断法の確立を目指す。 研究方法および結果。全長タウを含むcDNAはpETベクターに挿入し、sequence解析により配列確認を行った。タウのアミロイド形成には、C末端側に存在する4 repeat domains (R1-4)が強く関与している。本研究では、欠損型として4R(R1-4領域)のみ、また、R2領域を除いた3R(R1,3,4)のみを発現するPlasmid DNAの作製に着手した。また、R3の316番目のアミノ酸配列をセリン(S)からプロリン(P)に置換した変異型S316Pタウを全長および欠損型において、遺伝子組み換えを試みた。全長cDNAタウは、大腸菌に形質転換し、増殖させた後、組み換えタンパク質の作成を試みた。集菌した後、熱変性を加え、菌膜を破壊、遠心分離により抽出液を回収し、組み換え型タウの存在をSDS-PAGEで確認した。今後、他の欠損型および変異型の遺伝子改変が終了後、それぞれの組み換え型タンパク質の作成へ着手していく段階となった。
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