2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the nanoDDS platform for the penetrarion or intracellular delivery: Develioment of the rapid ligand-identification system and in vivo control of intracellular trafficking
Project/Area Number |
17K19473
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋田 英万 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80344472)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | リガンド / 脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
投与した薬物が機能するためには、その薬理作用部位に応じて、特定の組織の『実質細胞』まで薬を届けるためのドラッグデリバリーシステム(DDS)が必要となる。しかし、組織実質への輸送に関する成功例のほとんどのものは、肝臓や癌を標的としたものに限定されている。この理由として、これら臓器の血管が、ナノ粒子の実質への透過を考える上で有利な構造的特徴を有している点が挙げられる。一方で、正常組織における血管内皮細胞においては、互いに隣接する細胞が密着しており、ナノ粒子の実質組織への輸送は制限される。この血管内皮バリアを標的化する、さらには組織実質へ薬物を送達できる技術の開発は、DDS研究の長年にわたる究極的な目標となる。我々はこれまで、血管内皮細胞におけるナノ粒子の透過を促進するペプチドを報告している。本研究では、申請者が独自の細胞内環境応答性脂質様材料であるssPalmの分子改良をおこなうと共に、ナノ粒子の血管内皮標的化リガンドの迅速同定法の開発を進めた。 リガンドの迅速探索法の開発においては、血管内皮細胞に発現している膜蛋白質の細胞外ドメインをビーズに固定し、本ペプチドに結合しうるhuman domain antibodyをファージライブラリより探索する技術の開発をすすめた。 さらに、核酸をin vivoでデリバリーする上では、安全なssPalm分子の設計が重要な課題となる。潰瘍性大腸炎モデルに対して、病理症状を緩和する脂肪酸足場を探索した。さらに、自己崩壊を誘起できる新たな分子設計を施すことにより、静脈内投与に適した新規ssPalm分子の開発をおこなった。
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