2018 Fiscal Year Research-status Report
人工DNA分解酵素を要しない次世代ゲノム編集技術の開発
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17K19491
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
紙谷 浩之 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 教授 (10204629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 哲矢 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 助教 (20573950)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
Tailed duplex の改良:昨年度の研究により、長鎖 DNA にアニーリングする核酸を鎖間クロスリンク体とした新規 tailed duplex(tailed duplex 2)を用いると、従来の tailed duplex よりも編集効率が高い傾向が観察された。しかし、今年度の研究においては、必ずしも再現性が得られなかった。一方、tailed duplex の長鎖一本鎖の鎖長を色々と変えてアッセイしたところ、従来用いてきた鎖長よりも短い鎖長の場合に、高い編集効率が観察される傾向にあった。 ゲノム DNA を標的とした tailed duplex の導入:チミジンキナーゼ 1(TK1)遺伝子のエクソン 6 の 50番目の塩基を標的とした。この部位が C に変異している遺伝子を正常型の A に編集することによる活性の回復を指標に編集効率を調べたが、正常型に復帰した細胞を検出するには至らなかった(TK6 由来細胞に導入した)。一方、カイアシ由来 GFP(copGFP)遺伝子を染色体に組み込んだ U2OS 細胞を用い、上記の短い一本鎖を有する tailed duplex によりゲノム編集を行った。この実験では、発色団アミノ酸の C(変異型)を T(正常型)に編集して蛍光を発する性質が回復することを指標とした。その結果、約 0.05% の割合で copGFP 陽性細胞が出現した。従って、人工ヌクレアーゼを用いずに、培養細胞の染色体遺伝子のゲノム編集を行うことが可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tailed duplex の長鎖一本鎖の鎖長を色々と変えてアッセイし、予想外にも、従来用いてきた鎖長よりも短い鎖長の場合に高い編集効率が観察される傾向にあることを見出し、また、人工ヌクレアーゼを用いずに培養細胞の染色体遺伝子のゲノム編集を行うことが可能であることを示したため。
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Strategy for Future Research Activity |
Tailed duplex の改良:今年度の研究で見出した、tailed duplex の長鎖一本鎖の鎖長が編集効率に与える影響を調べ、最適値を決定する。 ゲノム DNA を標的とした tailed duplex の導入:copGFP-U2OS 細胞を用いたアッセイを詳細に検討する。また、ヒストンアセチル化によるヌクレオソーム構造弛緩の効果を調べる。
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Research Products
(2 results)