2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on molecular mechanism for scaffold protein-regulated circadian localization of transporters on plasma membrane by
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17K19493
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小柳 悟 九州大学, 薬学研究院, 教授 (60330932)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 足場タンパク質 / 概日時計 / トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
受容体、チャネル、トランスポーターなど膜タンパクの多くは安定的に発現し、その半減期も数日に及ぶと考えられている。しかしながら、それら見解は主に培養細胞を用いた実験から導き出されたものであり、生体内でのこれらタンパクの細胞膜上での発現は約24時間周期で変動する概日リズムを示している。 申請者は肝臓、腎臓、小腸などで24時間周期の発現変動を示す足場タンパク「Circadian Scaffold Protein-1: CSP1(仮称)」を同定し、このタンパクによって細胞内での足場形成に概日リズムが生じることで、トランスポーターなどの細胞膜上への局在が時刻によって変動するのではないかと推察している。本研究では足場タンパクCSP1を基軸に、薬物輸送トランスポーターの膜局在が時刻依存的に変動する仕組みの解明を目指して検討を行った。その結果、CSP1は複数のトランスポーターと時刻依存的に結合して膜発現の安定化に概日リズムを引き起こしていることが明らかになった。また、時計遺伝子の機能不全マウスおよびCSP1の転写活性調節領域を挿入したレポーターベクターを用いた解析の結果から、CSP1の発現リズムは核内転写因子と時計遺伝子との相互作用によって、直接または間接的に制御されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の実施計画においては、CSP1と時刻依存的に結合する細胞膜トランスポーターの同定およびCSP1の発現リズム制御機構の解析を実施する予定であった。これら検討項目については、いずれも当初の目的を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の検討から得られた成果を受けて、平成30年度はCSP1の発現リズムの詳細なメカニズムの解明を試みる。CSP1の発現リズムが複数の転写因子と時計遺伝子との相互作用によって制御されていることが示唆されていることから、これら因子の中で最も影響力の強い因子を同定し、その欠損マウスを作成してCSP1の発現リズムおよびCSP1との相互作用によって細胞膜での発現が安定化するトランスポーターの機能について評価を行う。
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