2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel method to improve the lipoquality of neurons
Project/Area Number |
17K19500
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
服部 光治 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60272481)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | リーリン / 脂肪酸 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
リーリン欠損マウス胎児脳の脂質組成を網羅的に解析した結果、非膜リン脂質中の多価不飽和脂肪酸の含有量が低下していた。しかも、多価不飽和脂肪酸不足を補うために補償的に合成される特殊脂肪酸のミード酸(C20:3, n-9)量が顕著に増加していた。すなわち、リーリンは神経細胞の多価不飽和脂肪酸量を上昇させることが強く示唆された。多価不飽和脂肪酸の上昇は脳の機能を改善し、アルツハイマー病の発症を抑えると考えられているので、リーリンの量または機能を上昇させれば、精神神経疾患の治療に役立つかもしれない。 リーリン欠損マウスの脳では、ステアリルCoA不飽和化酵素(SCD-1)が増加していることを見いだした。すなわち、リーリン欠損により(一部の)神経細胞の多価不飽和脂肪酸が不足状態となり、これに対応するための反応が起きていることが強く示唆された。リーリンおよびその関連分子と脂質・脂肪酸の関連については今後さらに研究が必要である。 リーリンがアポリポタンパク質として機能するかを検証するため、リーリンの脂質結合性および脳内リーリン含有画分の比重や結合分子を解析した。その結果、脳内のリーリン(の一部)が何らかの低比重複合体を形成している可能性を見いだした。しかし、ある程度リーリンを分画するとその安定性が低下することなどから、この複合体の正体や機能については、現在まで確定的な知見は得られていない。
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Research Products
(22 results)