2017 Fiscal Year Research-status Report
神経伝導路の機能的同定・可視化を目指す新規手法の開発
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17K19515
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00262022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60374659)
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60644044)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 神経伝導路 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類をはじめとする不透明で大型の個体において、個体活動に関連する神経伝導路の同定する普遍的な手法を確立することを目的として、遺伝子にコードされたプローブの開発に着手した。このプローブは神経活動を脱分極の有無を直接的に測定する設計になっており、複数のコンポーネントにより構成されるが、その内の一つであるプロテアーゼ活性化型蛍光タンパク質の開発を行った。当初は緑色蛍光タンパク質を使用していたが、大腸菌のコロニー単位でスクリーニングを予定している為、コロニーの色の識別しやすい赤色蛍光タンパク質に変更して作成している。具体的にはプロテアーゼ認識部位前後のリンカーについて、その長さや配列が異なるプライマーを設計し、SLiCE法によりスクリーニング用のライブラリ構築を終了している。大腸菌株XL10-Goldに形質転換したところ、1000以上のコロニーが得られたが、プロテアーゼの発現の有無を別途制御する為、XL10-Gold以外の菌株への形質導入を予定している。菌株の候補としBL21(DE3)を予定しているが、通常のケミカルコンピテント細胞法では導入効率が極めて低い為、電気穿孔法用のコンピテント細胞作成を行っている。またこの電気穿孔法による実験の為、大腸菌の電気穿孔法実験用機器を導入した。また、プロテアーゼ活性化型蛍光タンパク質の軸索移行を促進させる工夫の一つとして、抗体様小分子の実験系の立ち上げを行い、ファージディスプレイ用のライブラリの構築を終了し、スクリーニングの条件について検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経伝導路の同定を目的とする遺伝子にコードされたプローブのコンポーネントの内、プロテアーゼコンポーネントの作成についてやや進捗が遅れている。(使用する分子の刺激時の構造変化がプロテアーゼの酵素活性を制御する為には小さく、別途独自の工夫を加える必要があることが判明してきている。)
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きプロテアーゼ活性化型蛍光タンパク質の開発を続行すると共に、プロテアーゼコンポーネントの開発を加速させたい。後者については従来の設計方針を改変し、constrained labelingと呼ばれる別途標識技術を援用して分子デザインを行っている。
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Causes of Carryover |
研究計画当初予定していたサーマルサイクラ―の導入は中止し、電気穿孔法装置導入へ変更したが、これは別の研究計画と共用とすることとし、本研究計画からは支出しなかった。また、抗体様小分子のスクリーニングの為のライブラリ作成等は共同研究先の費用負担によった為、基金運用として次年度以降の各種スクリーニングの為の費用として繰り越した。
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