2017 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of channel activity of AMPA receptors by membrane microdomains as revealed by high-resolution single-molecule imaging
Project/Area Number |
17K19521
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 健一 岐阜大学, 研究推進・社会連携機構, 教授 (50423059)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | AMPA受容体 / 1分子蛍光観察 / 超解像蛍光観察 / チャネル活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1分子蛍光観察と超解像蛍光観察を組み合わせた超高精度イメージング法により、神経細胞上でのAMPA受容体(AMPAR)のイオンチャネル活性の膜微小領域内外での分布を明らかにし、シナプス可塑性を生み出す機構を解明することである。これによりAMPARがどのような膜環境下にあるときに、活性を発揮するのかを明らかにする。我々は、当該年度、AMPARの輝点同士が共局在する様子を高精度1分子観察することによって、神経細胞膜上でもAMPA受容体の4量体は安定ではなく、100ミリ秒以下の寿命であり単量体も存在することを明らかにした。特にポストシナプス上のHomer-1bドメイン以外の領域でAMPARの単量体と短寿命のダイマー、オリゴマーが検出された。これらのことは、Homer-1bドメイン上のシナプス領域中ではAMPARの運動は非常に遅いが、シナプス領域外では速い成分も存在している、という我々の実験データともよく一致している。これらのデータに基づき、刺激に応じて神経細胞が、シナプス領域内外のAMPAR密度を迅速に調整しシナプス伝達効率を変更できるのは、AMPAR単量体の速い動きが原因であるというモデルを提案した。 次にこのモデルを検証した。そのため、膜上の局所ごとのAMPARのチャネル活性の可視化を試みた。GluA1、GluA2に蛍光タンパク質カルシウムセンサーのCase12タグを付加させたタンパク質をHEK293細胞に発現させて、1分子観察の条件を探った。Case12の4分子が会合すると、輝点として観察可能で、十分なシグナル/ノイズ比が得られることを確認した。これによりAMPARサブユニットを追跡しながらグルタミン酸添加後のカルシウム流入を可視化することにより、チャネル活性を調べることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経細胞膜上でのAMPARの短寿命ダイマー、オリゴマーの存在を確認できたことは、非常に画期的だと考えている。また、「刺激に応じて神経細胞が、シナプス領域内外のAMPAR密度を迅速に調整しシナプス伝達効率を変更できるのは、AMPAR単量体の速い動きが原因である。」というモデルを提案する上で、シナプス内外でのAMPARの拡散係数とAMPARの会合度に相関がみられたことも大きな意義がある。これらの発見によって、シナプス可塑性の機構を解明するための研究が一気に進む可能性がある。 また、AMPAR4量体ごとのチャネル活性の可視化法を検討していて、上手く行く見通しが立ってきた。当初の目標を達成しており、研究計画は順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光タンパク質カルシウムセンサーのCase12タグを付加させたGluA1, GluA2を刺激後、1分子観察することで、チャネル活性の可視化の方法論を確立する。 その後、ポストシナプスマーカーであるHomer-1bが形成するドメインや糖脂質ドメインを高空間精度で蛍光観察する。例えば、Homer-1bを有機色素で蛍光ラベルし、超解像顕微鏡法で観察する。 これらを両方とも達成した後に、微小ドメイン内外のAMPARチャネル活性を測定する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Raft-based sphingomyelin interactions revealed fluorescent sphingomyelin analogs.2017
Author(s)
Masanao Kinoshita*, Kenichi G. N. Suzuki*(*equal contribution), Nobuaki Matsumori, Misa Takada, Hikaru Ano, Kenichi Morigaki, Mitsuhiro Abe, Asami Makino, Toshihide Kobayashi, Koichiro M. Hirosawa, Takahiro K. Fujiwara, Akihiro Kusumi, Michio Murata.
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Journal Title
Journal of Cell Biology
Volume: 216
Pages: 1183-1204
DOI
Peer Reviewed
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