2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regeneration of elastic fibers
Project/Area Number |
17K19534
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 弾性線維 / 老化 / 再生 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
弾性線維は、伸び縮みする組織(皮膚・動脈・肺など)に多くあって、その伸縮性を担う細胞外マトリックスである。皮膚のたるみだけでなく、心疾患予後悪化因子である動脈中膜硬化、高齢者の主要疾患である肺気腫も弾性線維の劣化・断裂が直接原因と考えられているため、弾性線維の劣化予防と再生は高齢化社会における極めて重要な課題である。しかし弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、弾性線維の再生は困難と考えられてきた。 弾性線維形成には(1)ミクロフィブリルという線維の束が形成され、(2)エラスチンタンパク質がミクロフィブリルに沈着し、(3)エラスチンどうしが架橋される、というプロセスがある。我々はこれまでの研究で、それぞれのプロセスに必須のタンパク質(特にFibulinファミリー分子とLTBPファミリー分子)があることを明らかにしてきた。本研究では、まずこれら弾性線維形成因子の中で加齢組織において不足するものを見出す。次に弾性線維形成因子を組み合わせて効率よく弾性線維を再生できる方法を開発し、生体内での弾性線維再生、弾性線維を持つ培養人工皮膚・血管の作製を目指す。 本年度は、加齢組織で弾性線維形成がおこらない原因の特定を行った。弾性線維を新しく形成できるのは若齢の組織だけであるとされている。しかし、なぜ加齢組織に弾性線維形成能がないのかはわかっていない。ここ十数年の申請者らの研究により、Fibulin-4, 5、LTBP-2, 4など弾性線維形成の鍵となる分子が見つかってきたが、加齢組織ではこれらのうちで不足しているものがあることが考えられる。ヒト皮膚サンプルを収集し、弾性線維形成因子の免疫染色を行った。また、老化皮膚の露光部にみられる「日光弾性線維症」において形成されるエラスチンの沈着が、正常の弾性線維とどう違うのかを調べた。
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Research Products
(6 results)