2017 Fiscal Year Research-status Report
原因不明なメンデル遺伝疾患のRNAシークエンス解析による責任遺伝子の同定
Project/Area Number |
17K19536
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
鶴崎 美徳 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 主任研究員 (70392040)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | RNAシークエンス解析 / 疾患責任遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2005年に次世代シークエンサー(NGS)が市場に初めて登場し、2006年にNGSを用いて全ヒトゲノム配列の解読、2010年には世界で初めてメンデル遺伝性疾患の1種であるMiller症候群の3家系を対象に、エクソンキャプチャー法と次世代シークエンス技術を組み合わせた、全エクソームシークエンス解析(WES)により責任遺伝子の単離がなされた。以来、多くのメンデル遺伝性疾患の責任遺伝子がWESにて同定されている。しかし、疾患責任遺伝子と表現型の相関が明らかである孤発例の遺伝疾患を対象に、WESを行いエクソン領域内の変異を隈無く解析しても、既知責任遺伝子内のエクソン領域上には病的な変異が認められない症例や、常染色体劣性遺伝病において2つ存在するはずである遺伝子座の変異が、片方の遺伝子座にしか認められないといった症例が少なからず存在している。その場合、WESでは解析することが不可能なノンコーディング領域(エクソンから離れたイントロン領域、転写調節領域など)の変異によるスプライス異常、あるいは遺伝子発現量の異常が疑われる。本研究では、RNAを用いて網羅的RNAシークエンス解析(RNA-Seq)を行うことにより、イントロンリテンション(スプライシングの際に、全てのイントロンが除去されずに特定のイントロンが残されたままになること)や、エクソンスキッピング(エクソンが読み飛ばされること)をともなうスプライス異常の高感度検出、あるいは発現アレイやリアルタイムPCRのような一部分の遺伝子の発現量でなく、遺伝子全体にわたる発現を定量的に測定することを目的とする。まずはポジティブコントロールを用いてRNA-Seqの解析系の確立を行った。疾患責任遺伝子のイントロン領域に変異が認められている患者由来のRNAを用いてキャプチャー後、RNA-Seqを行い、スプライス異常の転写産物の検出を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
疾患責任遺伝子のイントロン領域に変異が認められている症例に対して、RNAシークエンス解析(RNA-Seq)を行った。得られたfastqデータをRNA-SeqのマッピングツールであるSTARにてマッピングを行い、Integrative Genomics Viewerにてスプライス異常の転写産物の検出を行なったが、3'UTRのcoverageが異常に高く出ていることが確認されたことから、再度ライブラリーの作成を行っている。そのため当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、疾患責任遺伝子のイントロン領域に変異が認められている症例に対して、RNAシークエンス解析(RNA-Seq)を行い、異常転写産物が検出可能かどうか検討する。それが確認されれば、既知責任遺伝子のエクソン内に病的な変異を認めない症例に対して、RNA-Seqを行い、既知責任遺伝子のスプライス異常、および発現量の変動を確認する。これらのいずれかが確認された場合には、当該検体の全領域のゲノム配列をサンガーシークエンスにかけることにより、エクソン以外の領域における配列の変化の有無を確認する。
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Causes of Carryover |
理由:当初予期していなかった実験上での遅れが生じたため。 使用計画:研究を遂行するための消耗品費、学会参加のための旅費に使用する予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] De novo hotspot variants in CYFIP2 cause early-onset epileptic encephalopathy2018
Author(s)
Nakashima Mitsuko、Kato Mitsuhiro、Aoto Kazushi、Shiina Masaaki、Belal Hazrat、Mukaida Souichi、Kumada Satoko、Sato Atsushi、Zerem Ayelet、Lerman-Sagie Tally、Lev Dorit、Leong Huey Yin、Tsurusaki Yoshinori、Mizuguchi Takeshi、Miyatake Satoko、Miyake Noriko、Ogata Kazuhiro、Saitsu Hirotomo、Matsumoto Naomichi
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Journal Title
Annals of Neurology
Volume: 83
Pages: 794~806
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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