2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel antibacterial using bacteriophage and RNA targeting CRISPR system
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17K19570
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
崔 龍洙 自治医科大学, 医学部, 教授 (50306932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氣駕 恒太朗 自治医科大学, 医学部, 講師 (90738246)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / 薬剤耐性遺伝子 / 新規抗菌治療法 / 抗菌ファージ / 選択的殺菌 / ファージセラピー / RNA 分解酵素 / 追尾ミサイル型抗菌治療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、耐性遺伝子を標的とするファージの合成を行った。合成にはM13という、特定の大腸菌に感染するファージを用いた。耐性遺伝子を保有させた大腸菌に作製した合成ファージを感染させると、耐性遺伝子を持つ大腸菌のみを選択的に殺菌することを確認した。このようにして、耐性遺伝子を保有する菌のみを制御できる人工合成ファージの作製に成功した。しかし、作製したファージは一部の大腸菌にしか感染しないため、現在より宿主感染域の広いファージや、大腸菌以外の臨床上重要な耐性菌に感染できる合成ファージの作製を試みている。 本研究は合成ファージによる薬剤耐性菌感染症の治療を目指しているため、合成ファージの標的となる薬剤耐性菌や、殺菌酵素のキャリアとして用いるファージの収集も重要なテーマである。耐性菌に関しては、JANIS指定の11種類の耐性菌をそれぞれ100種類程度以上集めることができた。ファージに関しては、黄色ブドウ球菌や大腸菌のファージを環境中から単離し、ゲノム配列を決定するに至っている。また、菌内在性のファージも多数分離しており、現在までに数百種類のファージを取得している。来年度はこれらの中から、抗菌治療に最適なファージを選定していく。 本研究では、耐性菌体内に存在する耐性遺伝子を殺菌酵素に認識させることで、酵素の殺菌スイッチをオンにしている。そのため、標的となる耐性遺伝子の配列の収集も重要な課題である。我々はMiSeqやMinIONといった最新の次世代シークエンサーとバイオインフォマティクスを用いて、さまざまな耐性菌の耐性原因遺伝子を同定することに成功した。また、予備的な実験結果ではあるが、耐性遺伝子の特定の領域を狙うと殺菌酵素の効果が格段に上がることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究はモデル菌やモデルファージを用いたものではあるが、全般的に予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は臨床上問題となっているさまざまな耐性菌に着目しつつ、in vivo実験も行う。そして、論文発表や特許取得を積極的に進めていきたい。
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