2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of tissue factor implicating in sterile inflammation after brain infarction
Project/Area Number |
17K19571
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
七田 崇 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, プロジェクトリーダー (00598443)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
Keywords | 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞後の炎症は、患者の神経機能予後を悪化させる。脳細胞の大量の虚血壊死によって内因性の脳組織由来炎症惹起因子(DAMPs:damage-associated molecular patterns)が細胞外に放出されると、周囲の免疫細胞を活性化して炎症を惹起する。したがってDAMPsの排除を促進できれば脳梗塞後の炎症収束を早め、組織修復を促進できると考えられる。本研究では脳内のDAMPsを排除するスカベンジャー受容体MSR1やMARCOに注目し、これらの発現を促進できる薬剤を探索して、脳内の修復誘導メカニズムを探索した。 脳内においてMSR1やMARCOを高発現する細胞は、脳梗塞巣に浸潤したマクロファージであり、発症3日~6日後にかけてマクロファージのMSR1発現レベルが上昇していた。この発現上昇は転写因子Mafbに依存的であり、マクロファージ特異的Mafb欠損マウスでは脳梗塞後の炎症が遷延化し、神経症状の悪化や脳梗塞巣の拡大が観察された。Mafb依存的なMSR1の高発現を誘導できる薬剤としてビタミンAを見出し、その誘導体の中でもAM80は最も効率よく脳内にMSR1を誘導できる薬剤であった。 脳梗塞巣でMSR1を高発現するマクロファージは神経修復因子IGF1を高発現しており、脳内における明らかな修復担当細胞であると考えられる。脳内においてこのような神経修復を誘導する因子として、脳内のタンパク質や脂質を探索し、治療剤としての応用に向けて解析を継続している。
|
Research Products
(10 results)