2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of retinoblastoma using human iPS cells
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17K19583
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 すみ子 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60240735)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 網膜 / がん / CRISPR / 増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
RB1遺伝子をCRISPRを用いて欠損させたヒトiPS株を作成した。まずはじめに、dCAS-KRABシステムを用いて、RB1遺伝子の発現をTamoxifen依存的に抑制、あるいは抑制解除が可能な系を入れ込んだヒトiPSを作成した。未分化なiPSとして培養している段階で、RB1欠損株について、細胞数の増加、EdU取り込みなどのFACSによる検討により、親株と増殖能に差があるか検討を行った。その結果増殖能は、RB1を抑制しても影響がなかった。 次に、網膜分化させた状態でRB1の発現を抑制した場合の増殖能への影響の検討に入った。分化を開始してからTamoxifenを添加すると、おそらくゲノムのメチル化の影響か、Tamoxifenを添加しても十分なRB1の発現の抑制がかからないことが明らかになった。様々な条件でTamoxifenの添加を行ったが、抑制が不十分で病態を反映しないと考え、CRISPR-dCASでの解析を断念することとした。 そこでストラテジを変更しATG付近にguide RNA (gRB1)を設計し、guide,Cas9,EGFPのall-in-oneプラスミドをhuman iPS lineにエレクトロポレーションで導入し、EGFP陽性細胞をセルソーターで精製した後、クローンを単離することとした。Genomeの配列を確認し、両アリールにnonsense mutation (STOPコドンがATG近傍にはいっている)がはいっているクローンを選択することを試みたがこうしたクローンが取れる効率が悪いため、ストラテジを変更し、二つのgRNAを用いて第一エクソンを飛ばして発現を落とす系を構築した。この系による効率について、樹立細胞株を用いて良好であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来の計画どうりにほぼ進行している。RB1遺伝子の発現抑制の系を途中で変更したが、この変更は当初から可能性を予期していたもので、スムーズに変更が進んだ。未分化iPSでのRB1の抑制が増殖に影響を与えないなど一定の成果もすでに得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ当初の計画どうりに進めていく。系の変更を行ったため、やや遅れは生じているが、アッセイ系の立ち上げを行ったため、十分に遅れを取り戻せると考えている。
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Causes of Carryover |
本年度、当初始めた実験系が十分な結果を得られなかったため、系を変更し(変更の可能性は研究計画でも想定済み)、このため解析がやや後ろ倒しになったため。解析の系はすでに樹立していたため、初年度、次年度で計画していた解析を同時に行うために予算の一部を次年度使用することとした。
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Research Products
(2 results)