2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method to detect heterogeneity of Smad transcriptional complexes
Project/Area Number |
17K19589
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮澤 恵二 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40209896)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | Smad / 転写複合体 / DNAアプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はDNAアプタマーを用いて、Smad転写複合体のheterogeneityを検出する手法の確立を目指したものである。令和元年度は、前年度までに取得したDNAアプタマー配列とSmad転写複合体の結合について解析を進めた。 1)ビオチン化DNAアプタマーによるSmad複合体の沈降能の検定:活性化Smad複合体に対するDNAアプタマー配列をビオチン化したプローブを合成し、TGF-beta刺激した細胞の抽出液からSmad結合性二本鎖オリゴヌクレオチドの存在下、および非存在下において活性型Smad複合体の沈降を試みた。スケールアップ等の条件検討を行ったが、どの条件においても、イムノブロット法で検出できる量は沈降できないことがわかった。単離したDNAアプタマーはSmad複合体に対して、十分な親和性がないことが考えられた。 2)活性化Smad複合体によるDNAアプタマーの沈降能の確認:実際にDNAアプタマーをスクリーニングした時の条件に準じて、Smad複合体への結合能を再検討した。TGF-beta刺激した細胞の抽出液からSmad結合性二本鎖オリゴヌクレオチドを用いてSmad複合体を沈降すると、DNAアプタマー存在下では、これが共沈されることを確認できた。また、この沈降反応にはTGF-beta刺激依存性が認められた。 3)グアニン四重鎖構造の安定化剤によるTGF-betaシグナルへの影響の検討:Smad複合体結合性のDNAアプタマー配列はG-richであり、多くの配列はグアニン四重鎖を形成するコンセンサス配列を含んでいた。そこで、グアニン四重鎖構造の安定化剤であるTMPyP4存在下で細胞のTGF-beta応答性を検討した。TGF-betaシグナル全般とモニターするレポーター活性には影響がなかったが、一部の標的遺伝子の発現調節には影響することが明らかとなった。
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