2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel immune checkpoint inhibitor therapy by microRNAs
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17K19590
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾野 亘 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00359275)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | PLGAナノ粒子 / 核酸医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの新たな治療法として、がん免疫療法が脚光をあびている。その契機となったのは、抗PD-1(programmed death 1)抗体および抗CTLA-4(cytotoxic Tlymphocyte-associated antigen 4)抗体ががんの治療薬として承認されたことである。腫瘍の局所ではキラーT細胞およびナチュラルキラー細胞がPD-1を高く発現しており、これががん細胞に発現するPD-L1やPD-L2と相互作用することが、抗腫瘍免疫応答の減弱の原因とされている。また、活性化したT細胞の表面にはCTLA-4が発現し、CD80あるいはCD86と相互作用してT細胞機能が抑制される。我々は、PD-1, PD-L1, CD80がmiR-15ファミリー(miR-15a/15b/16/195/424/497/503)によって制御されていることを見いだした。特に、ヒトPD-1遺伝子の3’UTRにはmiR-15aファミリーの結合配列が8箇所あり、CD80には4箇所存在する。今回、22塩基のRNAが選択的にDicerによって切断され、マイクロRNAの機能を発揮するRISCコンプレックスに取り込まれるように、両端に塩基を付加し、27塩基の2本鎖RNAを設計した。また、2本鎖RNAのセンス鎖に細胞膜への透過性を上昇させるためにコレステロールを結合させ、またアンチセンス鎖(成熟miRNAとなる)は分解を受けにくいように、ホスホロチオエート化した。さらに、この2本鎖合成RNAを乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)ナノ粒子に含有させた。ウサギにおいてPLGAナノ粒子による2本鎖RNAの投与を行ったところ、2週間の徐放化が可能であった。皮下腫瘍モデルを作成し、2本鎖RNA含有PLGAナノ粒子およびコントロールRNA含有PLGAナノ粒子を投与し、腫瘍の体積、また生存について検討中である。
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Research Products
(14 results)