2017 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of acquired resistance of PD-1 inhibitor with recycle of CART system
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17K19591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱西 潤三 京都大学, 医学研究科, 講師 (80378736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 郁 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20508246)
村上 隆介 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (40782363)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / 癌性腹水 / 腹水濾過濃縮再静注療法(CART) / 腫瘍免疫 / 免疫逃避 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイントProgrammed cell Death 1(PD-1)経路阻害薬は、新しいがん治療として注目されている。これまでに当科では卵巣癌を対象に抗PD-1抗体(ニボルマブ)を用いた医師主導治験を行い、著効例や長期生存例を認めたが、一方で奏効率は限定的でありさらに一定期間は治療効果を認めたがその後増悪した耐性例も経験した。 このような獲得耐性例においては新たな免疫抑制作用が惹起している可能性が高く、腫瘍局所での免疫状態の変化を詳細に解析し、PD-1経路阻害耐性のメカニズムが解明されれば、さらに有望な新規の治療法(併用療法)が開発できると考えられる。 そこで卵巣癌の病勢やPD-1経路阻害薬および抗がん薬治療経過における腫瘍局所の免疫状態をヒトおよびマウスモデルにて詳細に解析し、治療無効・耐性例に対する新しい治療開発(併用療法)の基礎的検討を行うことを目的としている。これまでに卵巣癌の臨床検体(末梢血、腫瘍、がん性腹水)を用いた耐性に関わる因子の探索として治療の前後の臨床検体を用いて、腫瘍や免疫細胞の網羅的遺伝子発現解析や免疫細胞のレパトア解析にて、治療効果や生存期間と関連する免疫関連因子を探索するここととし、なお免疫状態の詳細なモニタリングや機能実験を行うには大量の腫瘍細胞や免疫細胞が必要となる。そこで本検討では、がん性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注療法(CART)に注目し、同精製過程で廃棄される腹水中の免疫細胞や腫瘍細胞を有効に再利用(リサイクル)することを目指している。そしてこの検討で得れた結果をin vitroおよびin vivoマウス卵巣がんモデルで抗腫瘍効果を評価し新規治療開発の基礎的検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに進行・再発がんとして抗がん剤治療およびPD1経路阻害薬の治療を受けた卵巣癌患者の臨床検体(末梢血、腫瘍、がん性腹水)を用いて、治療前後での腫瘍および末梢血から末梢血単核球を分離し同細胞のRNA、DNAを十分量抽出しできており冷凍保管している。一定の症例数(検体数)が確保できた時点で、RNAを用いて網羅的遺伝子発現解析等を行う予定である。一部症例を、プレリミナリーに網羅的遺伝子発現解析を行った結果、治療の前後に明らかに変化する因子(候補)を多数抽出できた。一方で免疫細胞の解析は安定したデータが出ていないため、再度症例数を確保した後再検討する予定である。なお、腹水濾過濃縮再静注療法(CART)を用いた大量のがん性腹水からの免疫細胞抽出については、症例によって大幅に細胞数が異なることが判明し(腹水量に依存しない)たtめ、従来の想定よりも検討する症例数を増やす予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、本研究を開始してから症例登録を開始しているが、上述のようにがん性腹水に含まれる免疫細胞数が腹水量に依存せず、ほとんど抽出できない症例もあるため、技術的なエラーを最小限にしつつ、さらに症例数を増やして検討する予定である。またさらに、抽出できた免疫細胞については、その免疫機能評価も順次進めており、症例数確保によって、各症例の免疫状態を確認する予定である。さらに今後は、マウス卵巣癌腹膜播種モデルの安定した作成および、抗ガン剤あるいはPD-1経路阻害薬耐性モデルも同時並行で進めつつ、効率的な臨床解析および動物での検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初、動物実験にて反復投与の最適化条件を見つけるための予算を計上していたが、2回目の検討で最適条件が判明したため、本実験に関わる動物実験、検体解析費用を次年度に繰り越すことにした。
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Research Products
(18 results)