2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel oncolytic virotherapy for paclitaxel resistant ovarian cancer
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17K19597
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中村 貴史 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70432911)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 癌 / バイオマーカー / ウイルス療法 / バイオテクノロジー / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
UCA1は、卵巣癌をはじめ様々ながんで発現が亢進されているLong non-coding RNAであり、抗がん剤耐性能の獲得に関与し、パクリタキセル耐性を示すがん患者では、UCA1の有意な発現亢進が報告されている。本研究課題において、これまでUCA1を高発現するKFTx細胞を用いた担がんモデルマウスでは、パクリタキセル治療が耐性を示したのに対し、腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの著明な抗がん効果が確認された。又、卵巣癌患者由来の初代培養細胞を用いた検証を試み、UCA1の発現亢進が腫瘍溶解性ワクシニアウイルスによる抗がん効果を増強することを実証した。 一方、UCA1とワクシニアウイルスとの関連を示唆する報告は全くなく、その相互作用の分子レベルでの解明も試みた。2018年度までに、その作用機序はUCA1が細胞骨格の制御に関わるRhoファミリー低分子量Gタンパク質の一つであるCdc42の活性化を介して、MDRVVの感染能や増殖能ではなく、伝播能を増強することに因るものであることを解明した。そこで本年度は、UCA1が高発現している卵巣癌以外のがん種においても解析した結果、大腸癌においても、UCA1の発現亢進とCdc42の活性化が腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの抗がん効果を予測するバイオマーカーになり得ることが示唆された。そして、さらなる作用機序の解析の結果、卵巣癌や大腸癌において、UCA1がCdc42の活性化を介し、Filopodiaと呼ばれる細胞突起を増加させ、ウイルスの細胞間伝播を亢進していることを明らかにした。又、UCA1は、2つのマイクロRNA、miR-18aとmiR-182を負に制御するスポンジ機能によって、ウイルスの細胞間伝播を亢進していることが示された。
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[Presentation] LncRNA UCA1 is a potential biomarker of response to oncolytic vaccinia virotherapy and chemotherapy for ovarian cancer2019
Author(s)
Horita K, Kurosaki H, Nakatake M, kuwano N, Ishii K, Kohno H, Ito M, Itamochi H, Oishi T, Harada T, Nakamura T
Organizer
第25回日本遺伝子治療学会
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