2017 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism underlying the association between DSB repair and Transcription
Project/Area Number |
17K19615
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
宇井 彩子 東京工科大学, 応用生物学部, 准教授 (00469967)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | DSB修復 / 転写 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA二重鎖切断(DSB;DNA double strand break)の修復(DSB修復)は、細胞にとって致死であり、適切に修復が行われないとゲノム不安定性を引き起こし、がん化や老化の原因となる。近年、このゲノム安定性維持機構に転写とDSB修復の共役機構が重要であることが報告されてきている。この共役機構には、ユビキチン経路が関与することが報告されてきているが、そのメカニズムに関しては不明な点が多い。研究代表者は転写の伸長において、最上流でDSBの感知を行うATMシグナル経路が、転写活性化因子で白血病原因因子であるENLとポリコームのPRC1を制御することにより、ENL-ポリコームによりヒストンH2Aのユビキチン化を引き起こすという、新たな転写の制御機構を明らかにした(Watanabe et al., Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci.,2017)。一方で、ATMの下流で機能するもう一つのユビキチン経路であるRNF8/RNF168もDSB依存的にヒストンのH2Aのユビキチン化を行って、DSB修復を制御していること、RNF8/RNF168ユビキチン経路の下流には、乳がん原因遺伝子のBRCA1や53BB1が機能し、DSB修復経路の選択を行い、ゲノム安定性維持に関与していることが知られているが、このENL/PRC1のユビキチン化経路とRNF8/RNF168のユビキチン化経路の関連や、BRCA1や53BB1によるDSB修復と、転写の関連は明らかではない。そこで、RNF8/RNF168とENL/PRC1によるユビキチン経路の転写制御の機能的関連を明らかにするために、自身が開発に関与した転写を可視化できる実験系をさらに発展させて、転写の開始と伸長とDSB修復を同時に観察できる系を開発した。この実験系により、ENL/PRC1のユビキチン経路とRNA8-168のユビキチン経路も、転写の開始と伸長において、DSBに応答して転写と転写活性化部位のユビキチン化を制御していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を進めるための簡便に転写を可視化する実験系で転写の開始と伸長を検出する手法は既に確立済であるため、現在、その実験系を用いて可視化(ライブと免疫染色)により転写因子とDSB修復因子の挙動を解析中である。また、同時にChIP assayも進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム安定性維持機構に転写とDSB修復の共役機構が重要であることを解明するために、引き続き、ATMシグナル経路の下流に位置すると考えられるENL/PRC1のユビキチン化経路と、RNF8/RNF168ユビキチンのユビキチン化経路によるヒストンH2Aのユビキチン化を明らかにする。また、RNF8/RNF168ユビキチン経路の下流には、乳がん原因遺伝子のBRCA1や53BB1が機能しているとの報告があるが、ENL/PRC1のユビキチン化経路がこれら両因子BRCA1と53BP1のDSBにおける機能にどのような影響を与えるのかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当初の予定より物品が安く購入できたためである。次年度使用額とH30年度分を合わせて、CO2インキュベーター、安全キャビネット、消耗品(細胞培養の為のプラスチック製品、培地、タンパク質解析試薬)の購入を計画している。
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Research Products
(3 results)