2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K19617
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
土井 知光 産業医科大学, 医学部, 講師 (70437218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 佳子 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (90362467)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント |
Outline of Annual Research Achievements |
抗PD-1抗体をはじめとする免疫チェックポイント阻害剤は20-30%の非常に高いそう効率を示す一方で、残りの患者では効果が見られないことが問題である。効果が見られない1つの原因として、PD-1経路以外の免疫チェックポイントの存在が考えられている。本研究では免疫チェックポイントに関与する因子を、ノックアウト型のゲノムワイドCRISPR/Cas9ライブラリーを用いて網羅的に探索することを目的としている。本年は、免疫チェックポイント因子スクリーニングのために、担がんモデルマウスの作出条件の検討および、CRISPR/Cas9レンチウイルスライブラリーの作成を行った。B16メラノーマ細胞をマウス皮下に移植し、腫瘍が生着することを確認した。またB16メラノーマを免疫不全マウスに移植したところ、野生型マウスと比較して著明に腫瘍が成長したことから、B16メラノーマに対する抗腫瘍免疫が誘導されていることが示唆された。また、腫瘍浸潤細胞をフローサイトメーターで解析した結果、CD4及びCD8T細胞が多く浸潤しており、いずれもPD-1を発現していることが確認された。スクリーニングに用いるCRISPR/Cas9レンチウイルスライブラリーはAddgeneから導入し、高効率のコンピテントセルを用いてライブラリーの多様性を毀損することなく増幅した。また、レンチウイルスの産生条件の検討を行い、ライブラリーを作成するための最適な条件を決めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、B16メラノーマを用いた担がんモデルマウス作成の条件を確定し、B16メラノーマに対する抗腫瘍免疫の関与も確認できた。またスクリーニングに用いるCRISPR/Cas9レンチウイルスライブラリーをAddgeneから導入し、増幅するなどの準備をしている。また、レンチウイルスの作出にも、ライブラリーの多様性を毀損しないようにするために、高効率な方法が求められるため、レンチウイルスの作出条件の検討も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、作出したCRISPR/Cas9レンチウイルスライブラリーのウイルス価の測定を行い。重感染しないようにB16メラノーマに感染させ、CRISPR/Cas9が導入されたB16メラノーマ細胞ライブラリーを作成する。その後、ウイルスが産生されていないことを確認して、マウスに移植し、免疫回避能をもつ細胞をスルリーニングする。
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Causes of Carryover |
研究費の交付決定が年度の半ばであったため、初年度予定していた実験を一部次年度に繰り越したために翌年度使用額が生じた。翌年度は、前年度にできなかった、抗腫瘍免疫誘導条件の検討からはじめ、当該年度の計画通りライブラリーのスクリーニングを行う。
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