2019 Fiscal Year Annual Research Report
Crosstalk between hematopoiesis and intestinal flora
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17K19641
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊嶋 崇徳 北海道大学, 医学研究院, 教授 (40284096)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / がん化学療法 / 造血幹細胞移植 / 緊急造血 / IL-17 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究によって、成体緊急骨髄好中球造血のモデルとして、致死量の全身放射線照射で造血細胞を除去したレシピエントマウスに、コンジェニックドナーの骨髄から純化したLineage- Sca-1+ c-kit+細胞(LSK細胞)を移植するモデルにおいて、IL-17AとG-CSF、とくにホストT細胞の産生するIL-17Aが好中球生着に重要であること、またこれに腸内細菌叢が密接に関わっていることが明らかになった。そこでこの現象の普遍性を検証するため、がん化学療法後の成体緊急骨髄好中球造血のモデルとして、5-FU投与モデルを用いて研究を行った。5-FU (200 mg/kg)をB6マウスに腹腔内投与した。その後の血球減少期には、5=FU投与10日目をピークに、血清中のIL-17AとG-CSFの有意な増加がみられた。5-FU投与15日目には有意な好中球回復がみられた。次いで、同系造血幹細胞移植モデルで示された、顆粒球系造血と腸内細菌叢の関連を検討した。高度な腸内細菌を達成できるampicillin (1g/L), vancomycin (1g/L), strepomycin (1g/L) の3剤の経口抗菌薬を5-FU投与1週間前から%-FU投与日まで併用投与をしたところ、非投与時にみられた血清中IL-17A, G-CSFの増加がみられず、好中球回復が有意に遅延した。以上の結果から、造血幹細胞移植後のみならず、がん化学療法後においても腸内細菌叢の存在が、緊急造血に重要な役割を果たしていることが明らかになった。この2つの独立した実験モデルにおいて本知見の一般性が示せたものと考える。
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Research Products
(10 results)