2017 Fiscal Year Research-status Report
The pathological role of secreted protein in promoting fibrosis in non alcoholic steatohepatitis.
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17K19648
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 逸平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60444056)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | NASH / 線維化促進分泌型タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において、線維化促進分泌型タンパクObesity associated fibrotic protein(OAFP)を介して非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の病態が促進する分子機序を明らかにし、また、抗体誘導型ワクチンを用いてOAFPを抑制し、NASHに対する次世代の治療法の開発に挑むこととした。 1)NASH肥満モデルマウスにおけるOAFPの病的意義の解明;野生型マウスに8ヶ月高脂肪食(肥満食)負荷を行うと著しい肥満に加え肝臓の線維化が生じ、NASH肥満モデルを作成することができた。NASH肥満モデル、NASH患者の血液中で上昇する線維化促進分泌型タンパク質Obesity associated fibrotic protein(OAFP)に着目し、NASHにおける病的意義を検討した。OAFPのコード遺伝子を発現するベクターをマウスに投与すると、肝臓の線維化が促進される事がわかった。また、NASHにおけるOAFPの病的意義を詳細に検討するために、OAFP Knockout(KO)マウスを作製し、高脂肪食長期負荷に伴う肝臓の線維化が抑制されるか検討した。全身OAFP KOマウスでは肝臓の線維化が抑制され、現在追試を行っているところである。2)OAFPを標的とした抗体誘導型ワクチンの系の確立;抗体誘導型ワクチンの系を用いてOAFPの発現を抑制する系の開発に挑むこととした(中神らとの共同研究)。中神らは抗体誘導型ワクチンを用いた研究で豊富な研究実績を有する(Sci Rep2013, Proc Natl Acad Sci USA2014)。中神らが作成したOAFPペプチドとキャリア蛋白との複合ワクチンを投与したところ、循環血液中にOAFPに対する自己抗体の産生を確認することができ、NASHモデルの表現型を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OAFPを標的とし、全身ノックアウトモデルマウス、抗体誘導型ワクチンの系を用いてOAFPを抑制した結果、肝臓の線維化を抑制することができた。NASHモデルの作製に、マウスのバックグラウンドにもよるがコントロールマウスでも8-10ヶ月かかることが明らかとなり、追試を行うのに時間を要する点が問題だが、それ以外は非常に順調にプロジェクトは進行している。OAFP floxedマウスは開発が完了している。褐色脂肪特異的Creマウスと交配しNASHの表現型が改善すれば、OAFPが主に褐色脂肪に由来する褐色アディポカインであると結論づけることができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
肥満、及び褐色脂肪不全モデルマウスのDNAマイクロアレイデータをバイオインフォマティクスの手法を用いて解析した結果、OAFPが分泌型タンパクとして候補分子にあがり、褐色脂肪で主に産生されること、肥満NASHモデルマウスやNASH患者の血液中で発現レベルが上昇することがわかった。線維化促進分泌型タンパクOAFPを介してNASHにおける肝臓の線維化が促進する可能性が高く、本研究課題においてその詳細な分子機序の解明に挑む。本年度は以下のように研究を進める予定である。 1)NASH肥満モデルマウスにおけるOAFPの病的意義の解明;OAFP Knockout(KO)マウスでは、高脂肪食長期負荷に伴う肝臓の線維化が抑制されことが予備的検討の結果明らかとなったが、追試を行う。また、OAFPが褐色脂肪組織に由来する可能性があり、Floxed OAFPマウスを作製し、組織特異的Creマウスと交配した後に高脂肪食負荷下での表現型の検討を行う。2) OAFPを標的とした抗体誘導型ワクチンの系の確立;抗体誘導型ワクチンを用いて得られた表現型が追試できるか検討を行う。3)褐色脂肪で肥満ストレスに伴いOAFPのレベルが上昇する分子機序の解明;予備的検討の結果、cFOS/cJUNによりOAFPの発現が転写レベルで正に制御されている可能性があるが、追試を行う。
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