2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K19659
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松崎 高志 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教 (90456939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富 海英 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (70754646)
相楽 郁恵 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (40808474)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 劇症型心筋炎 / リポソーム / ガドリニウム / nAChR選択的アゴニスト |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) Gdキレート脂質の開発:1,4,7,10-Tetraazacyclododecane-1,4,7,10-tetraacetic acid mono-N-hydroxysuccinimide ester (DOTA-NHS-ester)を、アミノ基を有するphosphoethanolamine (PE)に架橋結合したDOTA 修飾PE(キレート脂質)の合成を検討した。様々な固定化反応条件および反応促進剤を検討した結果、キレート脂質の初期合成法を確立した。 (2)Gdキレート脂質を含有するリポソーム(Gdリポソーム)のインライン製造法の確立:DPPC/DPPG/DOPC/DOPG (モル比1:1:1:1)にGdキレート脂質を全脂質量比約7%添加した脂質組成で、平均粒子径が約100nmとなるインラインリポソーム製造条件(脂質量、有機溶媒濃度、反応温度、流速等)を最適化した。 (3) Gdリポソームの物性評価:物性評価:Gdリポソーム中のGdの定量法を、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)を用いて確立した。 (4) nAChR選択的アゴニストAR-R17779内包リポソーム(アゴニストリポソーム)のインライン製造法の確立:DPPC/DPPG/DOPC/DOPG (モル比1:1:1:1)の脂質組成で、AR-R17779を脂質重量比で約5%内包し、平均粒子径が約100nmのアゴニストリポソームのインライン製造条件(脂質量、有機溶媒濃度、反応温度、流速等)を最適化した。 (5) アゴニストリポソームの物性評価:リポソームに内包されたAR-R17779の定量法を、LC-MS/MS法により確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) Gdキレート脂質の開発:DOTA 修飾PE(キレート脂質)の初期合成法を確立しており、順調に進展している。 (2)Gdキレート脂質を含有するリポソーム(Gdリポソーム)のインライン製造法の確立:Gdキレート脂質を全脂質量比約7%添加した脂質組成で、平均粒子径が約100nmとなるインラインリポソーム製造条件を確立しており、順調に進展している。 (3) Gdリポソームの物性評価:物性評価:Gdリポソーム中のGdの定量法の確立に時間を要したが、概ね順調に進展している。 (4) nAChR選択的アゴニストリポソーム(アゴニストリポソーム)のインライン製造法の確立: nAChR選択的アゴニストAR-R17779を脂質重量比で約5%内包し、平均粒子径が約100nmのアゴニストリポソームのインライン製造条件を確立した。疎水性の高い7nAChR選択的アゴニストについてのリポソーム化の検討は次年度に持ち越しとなったが、おおむね順調に進展している。 (5) アゴニストリポソームの物性評価:リポソームに内包されたAR-R17779の定量法の確立に時間を要したが、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 市販Gdキレート修飾脂質を用いたGdリポソームの開発:Gdの標識効率を上げるため、市販Gdキレート修飾脂質を用いてGdリポソームのインライン製造法を確立する。(2)Gdリポソームの薬物動態評価:血中動態評価:正常マウス(ラット)へ静脈内投与後の血中動態を、GdのICP-AES測定により行う。薬物濃度パラメーター(C0、Cmax、T1/2、AUC等)を算出する。(3) Gdリポソームの造影能の評価:自己免疫性の劇症型心筋炎モデルを用い、心筋炎肖像をMRI画像検査によって検出可能か検討する。 (4) 疎水性の高い7nAChR選択的アゴニスト(A582941、DMBX-A、PNU282987、A844606、4BP-TQS等)についてもリポソーム化を検討する。 (5)アゴニストリポソームの薬物動態評価:正常マウス(またはラット)へアゴニストリポソームを静脈内投与後の血中動態を、アゴニストのLC-MS/MS測定により行う。薬物濃度パラメーター(C0、Cmax、T1/2、AUC等)を算出する。(6)アゴニストリポソームの薬効評価:自己免疫性の両劇症型心筋炎モデルに静脈内投与し、心機能評価(心エコー、心臓カテーテル)、組織学的評価(心臓への炎症細胞浸潤、繊維化等)、生化学的評価(心筋組織中の炎症性サイトカイン量)の測定により総合的な薬効評価を行う。
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Causes of Carryover |
<次年度使用額が生じた理由> 当該年度中に研究代表者が香川大学から大阪大学へ移動し、機材の移設等に時間を要したため、疎水性の高い7nAChR選択的アゴニストについてのリポソーム化の検討を次年度に実施することとなった。 <使用計画> 疎水性の高い7nAChR選択的アゴニストの購入費に充てる。
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