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2017 Fiscal Year Research-status Report

内分泌器官としての骨髄の評価とその神経支配の解明

Research Project

Project/Area Number 17K19660
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

片山 義雄  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80397885)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywords骨髄 / 内分泌臓器
Outline of Annual Research Achievements

本研究では造血組織として認識されている骨髄を内分泌臓器と捉え、そこから分泌された液性因子が遠隔臓器や全身に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。具体的には、腎でのリンの再吸収を抑制し、その血中濃度を下げる働きを持つ FGF23 の血球からの産生と全身への寄与についてマウスモデルを用いて詳細な解析を進めている。
平成29年度には、交感神経伝達物質そのものであるイソプロテレロノールの in vivo投与による骨髄細胞での鋭敏な FGF23 mRNA 上昇を捉え、骨髄細胞外液でのFGF23蛋白の上昇も確認できた。骨髄細胞中のFGF23 mRNA 上昇を担っている細胞種を調べたところ、CD45陰性Ter119陽性赤芽球分画が選択的にカテコラミン刺激に反応していた。現在赤芽球系細胞株をはじめとした培養システムでこの現象を確認するための系を確立中である。
また、野性型マウスの骨髄をFGF23ノックアウトマウスをレシピエントとして移植し、再開された造血システムのみからの FGF23 産生で FGF23ノックアウトマウスの早期老化形質を改善させられるかどうかについての実験を行っており、一連の実験の先頭のマウスは生後5週齢で移植してその後約9週目の時点で問題なく生存していた。本来FGF23ノックアウトマウスでは老化形質により毛の艶を失い活動性の極端な衰弱を示してほぼ生存できない週齢であるが、このキメラマウスは、毛の艶もよく、動作も機敏であった。ただ、移植時からあまり体長や体重の増加がなく小さいままであり、骨形成細胞群からのFGF23は局所の骨成長に必須のサイトカインとして作用している可能性が示唆された。FGF23ノックアウトマウスは老化形質により脆弱で骨髄移植のレシピエントとしては適しておらず、現在移植後のストレスを軽減するための工夫を検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

骨髄でのホルモン産生細胞種の同定にほぼ成功したこと、野性型造血細胞のみでの FGF23ノックアウトマウスの老化形質の改善の可能性が示唆されたことから、当初の仮説の信憑性がとても高くなって来ている。到達度としては予定通りである。

Strategy for Future Research Activity

今後、予定通り、責任細胞腫であると思われる赤芽球での神経シグナル支配下でのホルモン産生機構を in vivo, in vitro 両面で進めていく。また、野性型骨髄を FGF23ノックアウトマウスに移植して老化形質の改善を目指す研究項目も、移植後早期のストレスを回避できれば骨髄細胞がホルモンを産生して全身に影響を与えているという仮説を証明できるため、この移植を効率よく成功させる為の工夫を重ねて行く。具体的には、ホルモンやミネラルバランス異常を是正する食事による一時的補完を試みており、ほぼ順調に進んでいる。できあがった効率のよいシステムで骨髄細胞由来のホルモンの全身作用について検討を重ねて行く。

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Published: 2018-12-17  

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