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2017 Fiscal Year Research-status Report

プリオン蛋白質は耐性ウイルスを誘導しない夢のインフルエンザ薬のターゲットである

Research Project

Project/Area Number 17K19661
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

坂口 末廣  徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (60274635)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原 英之  徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 助教 (40469953)
Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywordsプリオンタンパク質 / A型インフルエンザウイルス / 銅 / 活性酸素種 / スーパーオキシドジスムターゼ
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、宿主タンパク質であるプリオンタンパク質がA型インフルエンザウイルス感染に対してどのような役割を担っているのか明らかにするとともに、そのメカニズムを解明する事を目的としている。我々は、プリオンタンパク質が1型および2型の肺上皮細胞やクララ細胞に発現する事を明らかにし、またプリオンタンパク質欠損マウスがA型インフルエンザウイルスの鼻腔内感染に対して脆弱で、コントロールの野生型マウスと比べて、著名な肺炎像を呈し、高い死亡率で死亡する事を明らかにした。これらの結果は、プリオンタンパク質がA型インフルエンザウイルス感染による肺炎を抑制し、A型インフルエンザウイルス感染に対し防御的に機能する事を示した。
また我々は、銅結合領域であるヒスチジン豊富な領域(オクタペプチドリピート領域)を欠いたプリオンタンパク質には、A型インフルエンザウイルス感染に対する防御的な機能がない事を明らかにし、銅の結合がプリオンタンパク質のA型インフルエンザウイルス感染に対する防御機能に重要である可能性を示した。実際、プリオンタンパク質欠損マウスやオクタペプチドリピート領域を欠いたプリオンタンパク質発現マウスの肺内では、銅の含有量が低下していた。また、コントロールの野生型マウスと比べて、プリオンタンパク質欠損マウスの肺内では銅依存性のスーパーオキシドジスムターゼの酵素活性が低下し、A型インフルエンザウイルス感染後の活性酸素種の量が増加していた。さらに、活性酸素種のキレート剤をプリオンタンパク質欠損マウスに投与すると、A型インフルエンザウイルス感染に対する脆弱性が回復された。以上の結果は、プリオンタンパク質が銅に結合し、その銅を銅依存性のスーパーオキシドジスムターゼに受け渡しその酵素活性を調節し、A型インフルエンザウイルス感染により産生される活性酸素種を抑制し、最終的に防御的に機能する可能性を示している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

プリオンタンパク質によるA型インフルエンザウイルス感染に対する防御メカニズムを明らかにすることができた。また、これらの研究成果をまため、論文を投稿した。現在、その論文はPLOS Pathogens, in revisionである。

Strategy for Future Research Activity

今後、プリオンタンパク質のA型インフルエンザウイルス感染に対する防御機能を活性化し、A型インフルエンザウイルス感染を治療する方法を開発する。
一つ目として、プリオンタンパク質に対する抗体がA型インフルエンザウイルス感染に対する防御機能を活性化するのか調べる。さらに、これらの抗体がA型インフルエンザウイルス感染に対して治療効果を発揮するのか、マウスモデルを用いて解析する。また、これらの抗体に治療効果が認められれば、そのメカニズムも明らかにする。
二つ目は、プリオンタンパク質に結合し、プリオンタンパク質のA型インフルエンザウイルス感染に対する防御機能を活性化する化合物を同定する。同定した化合物については、A型インフルエンザウイルス感染に対して治療効果を発揮するのか、マウスモデルを用いて解析する。

Causes of Carryover

現在投稿している論文がin revisionであるために、論文が受理されれば、その論文の掲載費と校正費に使用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 宿主因子を標的にした新たなインフルエンザ治療の試み2018

    • Author(s)
      千田淳司、木戸博、坂口末廣
    • Journal Title

      BIO Clinica

      Volume: 33 Pages: 52-55

  • [Presentation] 肺で発現する正常プリオン蛋白質の機能解析2017

    • Author(s)
      千田淳司、原英之、坂口 末廣
    • Organizer
      第32回中国四国ウイルス研究会
  • [Presentation] プリオン蛋白質はインフルエンザAウイルスの感染を制御する2017

    • Author(s)
      千田淳司、原英之、坂口 末廣
    • Organizer
      2017年度生命科学系学会合同年次大会 (ConBio2017)
  • [Remarks] 徳島大学先端酵素学研究所次世代酵素学研究領域

    • URL

      http://www.tokushima-u.ac.jp/ier/divisions/nerve.html

URL: 

Published: 2018-12-17  

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