2017 Fiscal Year Research-status Report
Amino acids deficiency in NAFLD
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17K19664
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
NAFLDにおける便中のアミノ酸減少は詳細な機序は不明であるが、アミノ酸産生腸内細菌の減少またはアミノ酸消費腸内細菌の増加などにより、体内のアミノ酸プールの減少の結果であると推測される。軽度のアミノ酸減少は便中のアミノ酸が低下しても血液中や主要臓器へのアミノ酸供給は低下しないと考えられるが、肝臓への供給は低下する可能性がある。このような軽度のアミノ酸欠乏状態では、肝臓へ供給されるアミノ酸の減少が起きれば過栄養によって多量に肝臓に流入するエネルギーを処理して、肝臓外へ分泌輸送するタンパク質合成が必要な機能が相対的に低下して結果的に脂肪蓄積の増悪に繋がると考えられる。つまり過栄養状態では軽度のアミノ酸低下でも相対的には飢餓時と同じ代謝異常(エネルギー・アミノ酸比の亢進)を呈し脂肪肝の増悪が起きるのではないかと考えられる(作業仮説)。この仮説の証明のために、本年度は患者血液の全アミノ酸分画と便中全アミノ酸分画の比較をして潜在的アミノ酸欠乏状況の証明を行った。また患者の糞便メタボローム解析を行い詳細な解析を行った。また今後の研究に備えてNASH患者より血清及び糞便検体を採取して多数例サンプルの収集を行った。併せて臨床情報や血液検査値などをデーターベース化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
糞便メタボローム解析の結果をさらに詳細に解析して、潜在的アミノ酸欠乏状態の実態解明を行う。具体的にはアミノ酸アナライザーを用いて多数例(約100名の当該患者と脂肪肝のない健常人80名)の患者糞便と血清アミノ酸全分画の精密定量解析を行う。以上の解析で糞便中および血液中のアミノ酸欠乏状況の把握をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
アミノ酸産生腸内細菌の解析を患者の腸内細菌を次世代シーケンサーで16srRNAのパイロシーケンスをおこない解析をする。仮想メタゲノム解析でアミノ酸産生菌の変化をアミノ酸合成遺伝子、代謝遺伝子を各々のアミノ酸ごとに解析することでアミノ酸ごとの患者腸内のアミノ酸産生菌、アミノ酸代謝菌の変化を解析することができる。もし低下していれば原因はアミノ酸産生菌の減少である可能性が高くなりその機序解明を進める。
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Causes of Carryover |
メタボローム解析に多額の研究費がかかるため繰り越しを行った。
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