2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K19665
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山下 暁朗 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (20405020)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ナンセンス変異 / 希少疾患 / 遺伝性疾患 / NMD / リードスルー / 嚢胞性線維症 / 疾患モデルマウス / 転写後制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
バリデーションを行う。同時に、得られたリード化合物による希少遺伝性疾患治療のin vitro レベルでのPOC(概念実証)を取得し、開発を加速させる。平成29年度は1)新たに発表された、HiBit(Split-NanoLucペプチド)にいくつかのアミノ酸コドン(KVPE)を含まないmutant-T4-Lysozyme (mT4L)を融合させたレポーターを作成した。3’UTRにbeta-globinイントロン2を配置し、レポータータンパク質の終止コドンかエクソンジャンクションまでの距離が21塩基のコントロールレポーターと179塩基のNMDレポーターを設計し、NMDの抑制が特異的に検出できることを確認した。さらに、HiBitと結合しNanoLucを形成するLgBitを外部から供給する方法と、共発現させる方法を施行し、どちらの場合も良好な応答を示すことを確認した。HiBit-LgBit systemにはDual luciferase kitが存在しないため、Firefly luciferaseによる補正を行うため、LgBitを共発現させる細胞の樹立も行う。 2)NMD抑制による遺伝性疾患治療モデルとして、ColVIにナンセンス変異を有するUllrich 病患者由来細胞をHPV-E7/TERT高発現により不死化し、蛍光染色法によりSMG1阻害剤依存的な変異ColVIタンパク質蓄積を証明した。さらに、動物モデルとして、嚢胞性線維症原因遺伝子であるmCFTRの変異のうち、ヒトで5番目に多い変異であるCFTR-W1282Xに相当するmCFTR-W1278X ノックインマウスをCRISPR-CAS9 systemにより作成した。mCFTR-W1278Xマウスは、mCFTRノックアウトマウスと同様、生後6~9週での致死であることをが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)新たに発表された、HiBit(Split-NanoLucペプチド)にいくつかのアミノ酸コドン(KVPE)を含まないmutant-T4-Lysozyme (mT4L)を融合させたレポーターを作成した。3’UTRにbeta-globinイントロン2を配置し、レポータータンパク質の終止コドンかエクソンジャンクションまでの距離が21塩基のコントロールレポーターと179塩基のNMDレポーターを設計し、NMDの抑制が特異的に検出できることを確認した。さらに、HiBitと結合しNanoLucを形成するLgBitを外部から供給する方法と、共発現させる方法を施行し、どちらの場合も良好な応答を示すことを確認した。HiBit-LgBit systemにはDual luciferase kitが存在しないため、Firefly luciferaseによる補正を行うため、LgBitを共発現させる細胞の樹立も行う。 2)NMD抑制による遺伝性疾患治療モデルとして、ColVIにナンセンス変異を有するUllrich 病患者由来細胞をHPV-E7/TERT高発現により不死化し、蛍光染色法によりSMG1阻害剤依存的な変異ColVIタンパク質蓄積を証明した。さらに、動物モデルとして、嚢胞性線維症原因遺伝子であるmCFTRの変異のうち、ヒトで5番目に多い変異であるCFTR-W1282Xに相当するmCFTR-W1278X ノックインマウスをCRISPR-CAS9 systemにより作成した。mCFTR-W1278Xマウスは、mCFTRノックアウトマウスと同様、生後6~9週での致死であることをが観察された。現在、繁殖を進めている。 以上より、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)NMD活性ハイスループットスクリーニングレポーターシステム樹立・改良:昨年度作成した、改変HiBti-mT4Lレポーターを安定発現する細胞株を樹立し、SMG1阻害剤を用いて応答性を評価する。評価後、LOPAC1280を用いたスモールスケールのスクリーニングを行う。これにより、ラージスケールスクリーニングの基礎データとする。また、必要に応じてさらなる改良を行う。 2) CFTR W1278X ノックインマウスの表現型が生後6~9週での致死であることを確認してる。CFTR W1278Xヘテロマウスを維持し、自然交配により実験に必要なホモ個体匹数を確保する(交配による予定総個体数:計200匹[W1278Xホモ: 50, W1278ヘテロ:100, WT:50])。生後10日から14日後にマウス尾を用いたgenotypingを行う。W1278Xホモマウスについて、生後16日から薬剤(gentamicin, VX-770)の腹腔内注射による投与を毎日行う(30匹予定:内訳:各10匹, 2薬剤+コントロール)。全てのマウスは生後23日に離乳させる。W1278Xホモマウスについて薬剤投与による延命が確認された場合、12週まで飼育を行った後、組織解析のため、十分に麻酔した後,苦痛の無い状態で各種臓器を外科的に素早く取り出し,PCR法,ウェスタンブロット法,凍結切片に用いる検体については液体窒素にて急速に凍結した後,深凍庫にて保存する。パラフィン包埋に用いる検体については臓器をホルマリンで満たしたビーカーに封入する。電子顕微鏡標本を作製する場合,組織灌流固定を行う。マウスは臓器採取後速やかに安楽死を行う。期間内の人道的エンドポイントとして,急激な体重減少(数日間で体重の20%以上),出血などを設定している。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] PI3 kinase様タンパク質リン酸化酵素SMG1阻害による抗腫瘍効果の解析2017
Author(s)
藤川 由美子, 山下 暁朗, 大貫 哲男, 鈴木 香絵, 青柳 杏子, 黒澤 瞳, 廣瀬 博子, 永井 陽子, 上村 博司, 吉田 稔, 大野 茂男
Organizer
生命科学系学会合同年次大会
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