2018 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of BNCT therapeutic gain based on selective protection of normal cells by LAT 2 inhibitor
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17K19671
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Research Institution | Southen Tohoku Research Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
廣瀬 勝己 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北BNCT研究センター, 診療所長 (60623767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 まり子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (30645263)
安西 尚彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70276054)
高井 良尋 一般財団法人脳神経疾患研究所, 南東北BNCT研究センター, センター長 (50107653)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ホウ素中性子補足療法 / BPA / アミノ酸トランスポーター / LAT2阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で現状用いられている唯一の腫瘍選択的ホウ素製剤であるアミノ酸誘導体L-BPA (L-borono- phenylalanine)に対して、これを基質として細胞内へ取り込むためのL-アミノ酸トランスポーター(LAT)のうち、腫瘍細胞に選択的に発現するLAT1に対して、正常細胞に選択的に発現しているLAT2を標的とする選択的阻害薬を用い、L-BPA BNCTに併用することで正常細胞を救済し、これにより許容される腫瘍への付与線量を増加させることを試みている。平成29年度にLAT2阻害薬の合成プロセスの最適化を完了しなかったため、平成30度はその続きの実施と、LAT2阻害選択性について評価することを目的とした。 平成30年度は、平成29年度に引き続き、LAT2阻害剤の合成経路の検討を実施し、少量ではあるが最終産物を得ることができた。この薬理効果評価のために、解析に用いる単一細胞ICP質量分析装置プロトコル作成を行った。A172、SAS細胞を用いてBPAに暴露後にICP-MSで解析を行うプロトコルを評価した。ICP-MSはppbオーダーのBPA量の定量には向くがppmオーダーの定量は逆に困難であるため、この感度を大幅に定価するために、四重極電圧の調整およびAMSガスの最適化を実施した。暴露後に解析のために実施する洗浄や解析まえのバッファー懸濁状態においてBPAが細胞内から流出してしまうことが明らかとなり、その対策がとられた。具体的には、ICP-MSのフローチューブの見直し、サンプル導入時間の短縮化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度までに実施する予定であった、LAT2阻害剤の合成が遅れてしまったために、全体的にはおよそ半年ほどの遅れが生じている。またLAT2阻害剤の阻害作用を評価するにあたり、細胞のBPA取り込み・排泄がLAT以外の別の経路で行われている可能性が示唆され、LAT2阻害作用のみを分離して解析することが困難であったことへの対策を要することになり、さらに全体的に研究が遅延する形となった。
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Strategy for Future Research Activity |
正常細胞へのLAT2阻害作用を、単一細胞ICP-MSを用いて平成30年度に最適化した条件にもとづいて実施する。万一、解析がうまく実施出来な買った場合に備えて、液体シンチレーションカウンターに基づいた解析方法も平行して検討する。LAT2阻害作用による生体への影響の評価についてはマウスにLAT2阻害薬を投与して致死量のBNCTを照射することにより、マウス体内の各臓器の傷害の影響によって評価を行う。
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Causes of Carryover |
計画の遅延により、未実施分の実施課題にかかる経費を次年度に残す形となった。
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