2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the roles of extracellular microsomes in donor cell-derived leukemia
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17K19681
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向田 直史 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (30182067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 智久 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (00452095)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / 細胞外小胞 / ドナー細胞由来白血病 / STING / 骨髄移植 / BCR-ABL / 慢性骨髄性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
BCR-ABL発現白血病幹細胞(LIC)を接種することで、慢性骨髄性白血病(CML)を発症させたマウスに対して、X線照射・骨髄移植を行うと、レシピエント由来の白血病細胞が消失し、血球系細胞がドナー由来の血球系細胞に置換された。しかし、その後Pseudo-Pelger Huet細胞様の顆粒球の出現とともに、重篤な貧血を呈する骨髄異形成症候群を発症し、死に至る、いわゆるドナー細胞由来白血病(DCL)に類似した病態が発症した。 この病態モデルを解析したところ、レシピエントCML細胞由来の細胞外小胞がBCR-ABL遺伝子を始めとした、二本鎖DNAを大量に含有していることを見出した。さらに、これらの細胞外小胞を介して、ドナー細胞にレシピエント細胞由来の二本鎖DNAが水平伝播することも見出した。STING経路を介して、二本鎖DNAを認識することで、インターフェロン経路が活性化される結果、ドナー由来の造血幹細胞のvitroでの複製能が低下した。さらに、CML発症マウスに対して、X線照射後に、STING欠損マウス由来の骨髄細胞を移植しても、DCL様の病態の出現が認められなかった。以上の結果から、CML細胞由来の細胞外小胞がSTING経路を介して、ドナー由来の骨髄幹細胞に対して抑制的に作用することによって、DCLが発症する可能性が強く示唆されることから、STING経路の抑制によってDCL発症が予防できる可能性も示唆された。
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