2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel function of intravascular pressure in angiogenesis
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17K19689
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
福原 茂朋 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (70332880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 功一 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 准教授 (80398221)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 血管新生 / 内腔圧 / 創傷治癒 / アクチン重合 / 前後軸極性 / Arp2/3複合体 / ゼブラフィッシュ / 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
血管新生とは、既存の血管から血管が出芽・伸長し新たな血管網を構築する現象である。本研究では、内腔圧による血管新生の新たな制御機構の存在を明らかにし、その分子機構と生理的・病的な血管新生における意義を解明することを目的とした。以下に平成30年度の研究成果を示す。 これまでにゼブラフィッシュ成魚を用いた皮膚創傷治癒に伴う血管新生のライブイメージング解析から、創傷治癒では血流に対して下流側の損傷血管のみが伸長し、上流側の血管は伸長しないこと、またその原因として、上流損傷血管では内腔圧が高く、この内腔圧が血管新生における血管伸長を抑制していることを示した。本年度は、内腔圧が血管新生を阻害する分子メカニズムについて解析した。血流に対して上流側の損傷血管は、内腔圧によって拡張し、内皮細胞に伸展刺激が負荷されていた。また、下流損傷血管の内皮細胞は、前後軸極性を獲得し、先導端でアクチン重合を活発に誘導することで前進していたのに対し、上流血管の内皮細胞では、先導端におけるアクチン重合が抑制され、前後軸極性が消失していた。微小流体デバイスを用いたin vitro血管新生実験から、内腔圧による伸展刺激が、内皮細胞の先導端におけるアクチン重合を抑え、それにより前後軸極性形成を阻害していること、さらに、内皮細胞への伸展刺激は、アクチン重合促進因子Arp2/3複合体の先導端への局在化を抑えることで、アクチン重合を阻害していることが分かった。以上の結果から、損傷上流血管では、内腔圧が内皮細胞に伸展刺激負荷することで、先導端におけるArp2/3複合体の局在化とアクチン重合、さらには前後軸極性形成を抑え、それにより内皮細胞遊走と血管伸長を阻害していることが示された。以上の結果より、創傷治癒過程の血管新生における内腔圧の新たな役割とその制御メカニズムを明らかにした。現在、本研究成果に関する論文を作成中である。
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Research Products
(17 results)