2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of angiogeneic pancreatic islets using iPS cell-derived pancreatic islet cells
Project/Area Number |
17K19692
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂田 直昭 福岡大学, 医学部, 准教授 (50431565)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 膵島移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵島移植は、ドナーの膵ランゲルハンス島を移植することによって生理的な血糖コントロールを提供するための、重症糖尿病に対する細胞治療法である。膵島移植をはじめとする移植療法は以前よりドナー不足の課題が指摘されてきたが、2010年の改正臓器移植法の施行により従前に比べドナーは増加し、膵島移植においてもドナー提供情報は少しずつ増加している。その一方、移植療法はドナーありきであり、待機患者がいつこの治療法の恩恵を受けれらるかは全く不透明である。よってヒト膵臓に依存しない、常時提供することが可能な新たなドナー源を確立することが要求されている。その有力な候補としてiPS細胞が挙げられる。現時点では、膵島に匹敵する機能を持つ細胞を作成する段階までには至っていないものの、iPS細胞からインスリン、グルカゴンといった内分泌ホルモンを発現 する膵島細胞を作成する手法は確立されつつある(Nakashima R, et al. Genes Cells. 2015)。また、移植された膵島の多くは脱落するため、その多くを生着させることが治療成功の鍵となる。膵島が脱落する理由の一つは虚血であり、移植早期の血流回復が膵島の生着に大きく貢献することは我々のこれまでの検討で明らかになっている(Tsuchiya H, et al. Plos One. 2015)。本研究は血管を付帯させた膵島を開発すること、さらにiPS細胞由来の膵島細胞に血管を付帯させたいわゆる血管化膵島を開発することを目的とする。最終年度に当たる今年度は昨年度作成した血管化膵島を糖尿病マウスの腹腔内に移植し、血糖値の推移を評価した。一部のマウスに血糖値の正常化が認められた。また、iPS細胞由来膵島細胞を同様に糖尿病マウスの腎皮膜下に移植し、血糖値の降下作用を確認できた。
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