2017 Fiscal Year Research-status Report
シンクロトロン放射光を用いた調節人工呼吸中のマウス肺胞メカニクスのイメージング
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17K19693
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
今井 由美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, プロジェクトリーダー (50231163)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 肺 / 人工呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺の終末構成単位である肺胞は、ガス交換の場であると同時に、呼吸に伴う圧や容量の変化による機械的ストレスに常にさらされている。最近、人工呼吸による機械的ストレスが病態の増悪に大きく関わっていることがわかってきた。重症型の呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の肺胞構造はその原因疾患や病期によって大きく異なっている。しかしこれまで、人工呼吸中のARDSの肺胞の動きをリアルタイムに可視化することはできなかったので、人工呼吸によって肺胞構造がどのように変化し、またそれらにどのような機械的ストレスが作用しているかは推測の域を出なかった。当該年度は、SPring8シンクロトロン放射光を用いて、調節人工呼吸下の生きた正常マウスの肺胞メカニクスを非侵襲的に(開胸などの外科手術を行わずに)可視化し、その画像から肺の3D画像の再構築を行い、人工呼吸の設定(換気回数、一回換気量、最大吸気圧、呼気終末陽圧[PEEP]など)の肺胞メカニクスに及ぼす効果を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、SPring8シンクロトロン放射光によるイメージングと人工呼吸を同期させて、人工呼吸中のマウスの肺胞の2D画像を取得し、独自の解析アルゴリズムを開発して、大量の2D画像の自動分割(Auto-segmentation)、3D再構築を行い、さらに呼吸サイクル上の複数点での3Dデータを基に、肺胞メカニクスを可視化することに成功した。これまでのところ当初の計画に沿って、比較的順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、病的肺に人工呼吸を行った時に発生する、肺に加わる機械的ストレス、"過膨張"と"ずり応力"に着目して、肺胞メカニクスを可視化する計画である。病的肺のモデルとして塩酸吸引(胃液誤嚥)による肺障害のモデルを用いる。また心臓の拍動がイメージングに及ぼす影響を最小限に抑えるために、心電図波形とイメージングのタイミングを同期させる計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The CCR4-NOT deadenylase complex controls Atg7-dependent cell death and heart function2018
Author(s)
Yamaguchi T, Suzuki T, Sato T, Takahashi A, Watanabe H, Kadowaki A, Natsui M, Inagaki H, Arakawa S, Nakaoka S, Koizumi Y, Seki S, Adachi S, Fukao A, Fujiwara T, Natsume T, Kimura A, Komatsu M, Shimizu S, Ito H, Suzuki Y, Penninger JM, Yamamoto T, Imai Y, Kuba K
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Journal Title
Sci Signal
Volume: 11(516)
Pages: eaan3638
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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