2020 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to development of new regenerative therapy targeting synapses between hair cells and auditory nerve fibers
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17K19713
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 教授 (90261619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 吏 山形大学, 医学部, 准教授 (50344809)
杉山 元康 山形大学, 医学部, 医員 (60637255)
小泉 優 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (80723585)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 内耳 / 聴神経 / 有毛細胞 / シナプス / 再生 / 神経 / 再生医療 / ROCK阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、内耳再生の分野で聴神経の障害が注目されている。これまで内耳障害の主な成因として有毛細胞の障害、特に外有毛細胞の易受傷性が考えられていたが、近年になりいくつかの病態においては有毛細胞の障害よりも前に聴神経の障害(聴神経-有毛細胞間シナプスの障害)が起こっていることが確認されたためである。 まず、聴神経線維および聴神経-有毛細胞間シナプスが障害され、聴神経の胞体および内外有毛細胞は残存している状態のモデルの作成を検討した。Wangらの報告によると、NMDA 0.5 mMとKainic acid 0.5mMの2種類の薬剤を作用させることで(NK処理)、培養蝸牛の聴神経及び聴神経-有毛細胞間シナプスが障害される。これまでの実験により、コラーゲンコートもしくはpoly-L-Lamininコートによる接着培養、コラーゲンゲルによる3次元培養、コーティングなしでの単純培養など、いずれの条件においても聴神経線維および聴神経-有毛細胞間シナプスが障害され、聴神経の胞体および内外有毛細胞は残存している状態が再現できた。 また、神経保護効果および神経・シナプス再生作用が報告されているRho kinase(ROCK)阻害薬を聴神経障害モデルに作用させることで、一度障害された聴神経が伸長している可能性が示された。昨年度の研究では、聴神経-有毛細胞間シナプスについて解析を行ったところ、NK処理により減少した後シナプスマーカーPSD95の発現が、Y27632作用後に増加している可能性が示された。 今年度はPCRによるRho-ROCK経路の発現変化の確認を行い、障害後にmRNA発現量が増加していることが確認された。また、この一連の研究結果での国際論文発表を行った。
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