2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K19715
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 朋子 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (40793089)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 整形外科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症は、関節軟骨の変性に始まり、周辺の骨の硬化性変化、滑膜の炎症性変化を伴って進行し、関節痛を引き起こして運動機能を著しく低下させる疾患である。軟骨組織の変性の程度と関節痛が必ずしも一致しないことは古くから知られてきたが、最近の研究から、膝関節を取り巻く筋力と筋量に比例して関節痛が生じにくいことが分かってきた。関節痛が周囲の筋の影響を受けるメカニズムとして、関節の安定性など物理的な要素以外に、筋細胞から放出される液性因子の存在が予想されている。本研究課題では、プロテオーム解析と、独自開発したモーションキャプチャーシステムによるマウス膝関節痛の評価系を駆使して、筋由来の関節痛制御分子の同定に挑戦する。まずマウス膝周囲筋に定量的な負荷をかけるためのトレッドミルによる強制走行を行い、条件検討を行った。実験には骨格や筋の成長が落ち着く生後12週齢のC57BL/6Jマウス雄を用いた。数日の練習によってマウスをトレッドミル走行に馴化させたのち、実験を開始した。実験条件として、走行速度は5, 15, 25 m/分、走行時間は15, 60分/日、期間は2週間で検討を行った。経時的にマウスをサクリファイスし、25 m/分、60分/日で最も筋量の有意な増加がみられることを確認した。運動負荷をかけて筋量が増加し始める時期、筋量が増加し続ける時期、筋量変化が落ち着く時期の3つのタイムポイントに分けて解析を行う予定であったが、変曲点がはっきりしなかったため、サクリファイス直前の2週間の時点で大腿四頭筋の筋組織における発現タンパクの解析を行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トレッドミル走行による筋量変化に個体差が大きく、サンプル回収時期の絞り込みに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニング実験を今年度中に実施し、鎮痛作用や抗炎症作用のある液性因子の探索にうつる。
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Causes of Carryover |
(理由)順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ (使用計画)in vivoの解析など、次年度以降の経費のかさむ実験に使用する計画である
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[Journal Article] Alteration of gait parameters in a mouse model of surgically-induced knee osteoarthritis.2018
Author(s)
Makii Y, Asaka M, Setogawa S, Fujiki S, Hosaka Y, Yano F, Oka H, Tanaka S, Fukui N, Yanagihara D, and Saito T
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Journal Title
J Orthop Surg (Hong Kong)
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed
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