2017 Fiscal Year Research-status Report
Regeneration and functional control of the uterus using decellularization technologies in non-human primates
Project/Area Number |
17K19731
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10209702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升田 博隆 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80317198)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 子宮 / 子宮内膜 / 再生 / 脱細胞化 / 再細胞化 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトおよびカニクイザルの子宮からの脱細胞子宮骨格の作成とその機能解析の基盤となる知見とデータを得るため、平成29年度は、主にラット子宮を用いて実験を行った。その理由として、霊長類において子宮頸部と子宮内膜全体の再生を主な目的とする当プロジェクトにおいて、子宮内膜全体の脱細胞化および再細胞化の技術的基盤と知見が未だ十分に得られていないことが実験を進めていくなかで判明したためである。そこで、ラットの子宮内膜を全置換する方法の技術的検討を行った結果、まず、子宮を長軸方向に縦切開した後に物理的に子宮内膜全層を全周性に摘出できることが可能になった。さらに、この摘出内膜組織を界面活性剤を含む溶液で脱細胞化させた後に、その脱細胞化骨格を、同様の方法で子宮内膜全層を全周性に摘出した別のラットの内膜欠損部に留置し縫合により固定化させたところ、 in vivoで同部位が再細胞化された。再細胞化組織には腺管構造も含め内膜様組織が再構築された。しかし、主に管腔内で癒着が生じることにより管腔構造が十分出来なかった。そこで、細いシリコンチューブ等を管腔部分に挿入・留置することによる癒着防止等を通じて、強制的に管腔スペースを確保する方法を用いたが、十分な管腔構造を有する内膜は構築されなかった。現在、より侵襲の少ない新しい置換方法とともに、新しい癒着防止策と管腔形成方法を行っている。一方、ラット子宮特有の問題があるので、いつまでもラット実験を行うのではなく早い段階で霊長類実験に移行するべく、29年度後半から霊長類実験が可能な施設の選定作業と作業チームの構築を開始した結果、現在候補施設が絞られてきており、作業チームの最終的な構築と調整作業の初期段階を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
霊長類実験の施行場所の選定と作業チームの構築に時間を要したため、現時点ではこれらが最終決定されておらず、霊長類子宮を用いた本格的な実験には達していない点で「遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は霊長類実験の施行場所の決定と作業チームの構築を行ったうえで、ラットで得られた内膜全置換法、全子宮内膜の脱細胞化法、および in vivo再細胞化法などの基盤技術を元に、ヒトあるいはカニクイザル(ニホンザルも考慮)の子宮の再生、特に内膜の再生の基盤となる技術の確立と知見を得る。子宮頸部については、ラットでは明確な子宮頸部が無いため霊長類でしか実験ができないので、内膜再生の進捗状況に併せて、子宮頸部欠損サルの外科的作成と脱細胞化サル子宮頸部骨格の移植を行う。また脱細胞化子宮内膜骨格をin vitroで再細胞化する場合は、これまで共同研究で行って得られたヒトiPS細胞由来の子宮内膜細胞を用いることも予定している。
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Causes of Carryover |
平成29年度はラットでの実験が主体となったため、霊長類動物や手術器具の購入費およびそれに関わる人件費などを次年度使用額分として確保した。さらに、未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果でもある。次年度は、適宜必要な消耗品および実験動物、人件費等に充てていく。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] ZEB1 expression is a potential indicator of invasive endometriosis2017
Author(s)
Furuya M, Masuda H, Hara K, Uchida H, Sato K, Sato S, Asada H, Maruyama T, Yoshimura Y, Katabuchi H, Tanaka M, Saya H
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Journal Title
Acta Obstet Gynecol Scand
Volume: 96
Pages: 1128-1135
DOI
Peer Reviewed
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