2017 Fiscal Year Research-status Report
Visualizing the olfactory map with diffusion tensor imaging: Development of an objective olfactory test method
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17K19735
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鄭 雅誠 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50792272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 ジェイムス洋尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90338020)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 嗅神経分布 / トラクトグラフィー / 高磁場MRI機 / 拡散テンソルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの篤志献体を使用し、鼻腔標本を9.4テスラMRI機にて撮影し、嗅神経のトラクトグラフィーを行った。撮影手順や方法、ソフトウェアの設定などを試行錯誤し、最適な方式を模索した。トラクトグラフィーで描出された鼻腔内の線維分布は、鼻甲介側は上鼻甲介の全体と中鼻甲介の前端にあり、鼻中隔側は鼻甲介側で描出された線維分布とほぼ同一の広がりであった。描出された線維は嗅球を通り、分布の広がりとしては嗅神経であると考えられ、嗅神経であることの確認は組織切片での免疫染色にて確認を行っている。 トラクトグラフィーで描出された鼻腔内の線維分布は、従来認識されていた鼻腔内の嗅神経分布と比較し、主に中鼻甲介への分布、およびそれに対応する鼻中隔側の分布があり、この点が大きく異なる。また、神経を連続して評価する方法は今まで困難であったが、本手法によって嗅糸レベル、場合によってはそれよりも細かい単位で線維を追跡することができ、鼻腔内の線維分布と嗅球の分布を対応させることも可能である。 この評価方法により、鼻腔の前方に分布する線維は嗅球の頭側より投射され、鼻腔後方の線維になるにつれ、嗅球への投射も腹側から尾側へ移動しているのが観察できた。また、鼻甲介側の線維と鼻中隔側の線維は、嗅球でも外側と内側に明確に分かれており、前述の鼻腔前方と後方の分布と合わせて、鼻腔内の線維が分布する位置と、嗅球へ投射する位置が対応することが分かった。この対応関係は嗅球内の糸球体で二次ニューロンに投射され、嗅索を走行する段階でも維持されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトの篤志献体に対する撮影が一段落し、その評価方法を検討している。今年度のマーモセットに対する撮影およびトラクトグラフィーを開始しているため、おおむね研究計画に記載した通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に記載の通り、マーモセットによるトラクトグラフィーを進める。組織標本による神経線維の評価方法は、別の免疫染色手法や、良好な検体を作製できるマーモセットでの評価を試みる。
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Causes of Carryover |
各種費用が想定よりも抑えられたことと、成果発表を次年度の国際学会に予定し、費用を発生させず繰り越すこととしたため。
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