2017 Fiscal Year Research-status Report
Genetic analysis for hereditary diseases of the optic nerve and retine
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17K19738
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
松坂 恵美子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 視覚科学研究室, 研究補助員 (70789974)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 第一次硝子体過形成遺残 / エクソーム解析 / CRISPR/Cas9 / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期に発症する遺伝性視神経・網膜硝子体疾患のゲノム解析を行うことによって、その遺伝的背景を明らかにし、出生時や小児期での失明、また、学童期意以降の中途失明の予防、治療につながる知見を得ることを目的とする。 国立成育医療センター眼科において、通常、遺伝的背景はないとされているが、常染色体優性遺伝形式をとる視神経形成異常と第一次硝子体過形成遺残の大家系が確認された。本家系における第一次硝子体過形成遺残の表現型は、胎生期に水晶体を栄養とする硝子体血管遺残による網膜剥離だけでなく、視神経乳頭における形成異常を伴っているものも見受けられた。本家系において次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析、バイオインフォマティクス解析を用いたところ、機能未知の遺伝子異常が見つかりCRISPR/Cas9システムを用いてこの遺伝子改変マウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児期に発症する遺伝性視神経・網膜硝子体疾患の詳細な臨床データとゲノム集積、眼底写真、蛍光眼底造影、光干渉断層像、網膜電図を含めて、症例ごとに詳しい臨床データの集積を行った。その中で遺伝性が報告されていない視神経形成異常と第一次硝子体過形成遺残の大規模家を同定し詳細に解析した。本家系において次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析、バイオインフォマティクス解析を用いたところ、機能未知の遺伝子異常(遺伝子X、遺伝子Y)が見つかった。遺伝子Yは免疫に関与する報告があるため、遺伝子XについてCRISPR/Cas9システムを用いて、ノックアウトマウスの作製を行った。候補マウスの系統樹立を行い表現型のスクリーニングを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補マウスの表現型を同定し、遺伝子Xについて発現の解析としてIn situ ハイブリダイゼーションやRTPCRによって、発生過程における発現様式を検討する。 同定分子の構造予測、機能解析としてIn silicoで同定分子の3次構造と機能を予測し、In vitroでレポーターアッセイを行う。 疾患iPS細胞を作製し疾患の培養細胞モデルとしてその解析を行う。責任遺伝子候補が同定された第一次硝子体過形成遺残症例において、iPS細胞を作製して、疾患モデルを確立し、in vitroにおける病態解明を行う。
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