Establish the foundation for advanced tumor immunotherapy

2019 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K19741
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 直毅 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (50625043) [Withdrawn]
• Project Period (FY): 2017-06-30 – 2020-03-31
• Keywords: がん

Outline of Annual Research Achievements

免疫療法は、外科療法、化学療法、放射線療法に次ぐ新たながん治療法である。免疫チェックポイント阻害剤が効果を挙げており、免疫療法は注目されている。このことは、がんを傷害するT細胞の存在を意味し、このT細胞受容体を明らかにすることができれば、患者に応じたテーラーメイドの抗腫瘍治療が可能となる。すなわち、がんを傷害するT細胞受容体の特定は、免疫チェックポイント阻害剤の効果的利用法が確立できるだけでなく、新たな治療法の開発も可能となる。本研究では、先進的がん免疫療法の基盤となる、がんを攻撃する特異的T細胞受容体の特定法を確立することを目的とし研究を進めてきた。
2019年度は、マウス可移植性の腫瘍を皮下に移植した、担がんマウスモデルを用いて研究を行った。マウスに腫瘍を移植後、経時的にがん周囲組織、がん近傍の所属リンパ節、脾臓、を採取した。これらサンプルから、total RNAを抽出して、通法によりcDNAライブラリーを作成した。我々が独自に開発した、遺伝子特異的非バイアス増幅法を用いて、T細胞受容体のみを選択的かつバイアスをかけずに増幅し、T細胞受容体遺伝子ライブラリーを作成した。次世代シークエンサーを用いて、T細胞受容体を網羅的に解析した（第三世代T細胞受容体解析法）。
その結果、皮下移植したがん周囲には、T細胞の浸潤が確認された。第三世代T細胞受容体解析法による詳細解析によって、それら浸潤T細胞と思われる、いくつか特徴的なT細胞受容体を見出すことができた。