2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel strategy for molecular diagnosis/treatment via circular RNAs adsorbing cancer-associated miRNAs in peripheral blood and saliva from cancer patients
Project/Area Number |
17K19743
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30302558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 盛洋 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (60724383) [Withdrawn]
大和地 正信 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70451747) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 環状RNA / miRNA / 腫瘍の増殖能 / 腫瘍の浸潤・転移能 / digital PCR / 新規癌抑制核酸医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
環状RNAは特定のmiRNAを吸着するスポンジのような働きをし、miRNAの機能を調節することが最近になって明らかにされた。本研究では口腔癌特異的環状RNAによる末梢血や唾液を用いた新規癌liquid biopsy法を開発し、新たな癌治療法への応用を探索することを目的とする。 本年度は以下の成果を得た。 1.ヒト正常口腔粘膜上皮細胞と口腔癌細胞株を用いてCircRNA Arrayによる発現解析を行い、口腔癌細胞株において有意に発現低下している環状RNA、circ_102450を同定した。2.circ_102450の口腔癌細胞株での発現状況を調べるため、環状RNAに対する特異的primerおよびProbeを作製し、RT-qPCR法にて確認したところ口腔癌細胞株において有意な発現低下を認めた。さらにcirc_102450のover expressionベクターを作成し、強制発現株を樹立し機能解析を行ったところ、Mockと比較し、発現増強株の有意な増殖能および遊走能の亢進を認めた。3.患者の血液を用いて、術前・術後における環状 RNAの発現変動をdigital PCR 法を用いて確認し、転移の有無とcRNA_102450の発現を検証したところ、転移を認めた患者の術前血液中のcircRNA_102450の発現は転移を認めなかった患者と比較し、発現が低くなる傾向を認めた。さらに同じ患者の血液を用いて血液中のエクソソーム中に存在する環状RNAの発現を検証したところ、血液中およびエクソソーム中のcirc_102450の発現は似た傾向を示した。4.以上よりcircRNA_102450は口腔癌細胞株および口腔癌臨床検体で発現が低下しており、今後liquid biopsyの標的として有用となる可能性があることがわかった。さらに癌細胞への取り込みを行うことで新たな癌治療開発の糸口になると期待できる。
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