2020 Fiscal Year Research-status Report
頭部外傷後精神疾患:包括的な支援体制の構築と発症要因特定のための研究基盤の形成
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17K19786
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐久間 篤 東北大学, 大学病院, 助教 (90733759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石垣 司 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (20469597)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 頭部外傷 / 器質性精神障害 / 心的外傷後ストレス障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も東北大学病院において頭部外傷の受傷者を対象に面接調査の継続する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの流行により、本研究の対象者である救命救急センターの受診者への長時間となってしまう面接調査が著しく困難となってしまい、新たな対象者のリクルートは延期せざるを得なかった。このため、これまでの研究データの整理、症例集積を再開した後に速やかにデータ解析が可能となるよう、既存のデータを用いて解析アルゴリズムの構築などをおこなった。
まず、これまでの活動を概観し昨年度学会発表を行った内容に関して論文化し発表した(救急医療と精神科との連携 東北大学病院精神科リエゾンチームの活動,精神科救急:23巻,39-42(2020.09))。この論文の中で、頭部外傷受傷者の支援体制構築における実務上の障壁について考察し、診療科の枠にとらわれないシームレスな協力体制を院内や地域で構築することが重要であり、そのため日頃からの情報交換や連携体制が重要であることを指摘した。次に、本研究でデータ集積が十分となった時点で行う予定であった、混合モデルによる解析を、既存研究データを用いてアルゴリズムを構築し論文化した(Journal of Affective Disorders:274, 742-751, 2020) 。これにより、本研究で実施する解析の信頼性が担保され、データが十分に集積された時点で速やかな解析と結果発表を行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、救命救急センターの受診者に対して比較的長時間の対面による調査が必要な本研究の実施は延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスが落ち着いた時点で面接調査を再開し、100例の症例集積を目指して研究を継続する予定である。その間に、これまで集積できた症例の脳波や脳画像などのバイオマーカーを活用し、多面的な解析を試みる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの発生により新たな研究対象者集積することができなかったため残額が生じたと考えている。次年度は引き続き症例を集積するとともに、最終年度となることから、研究成果の積極的な学術大会における発表、論文化を行う予定である。
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