2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の起立時血圧低下の予防に活用する「起立前看護オノマトペ法」の教材開発と効果
Project/Area Number |
17K19788
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 ひとみ 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241811)
岡本 紀子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (40624664)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 起立性低血圧 / 起立前看護オノマトペ法 / 高齢者 / オノマトペ / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、フレイル,ハイリスク群に対する「起立前看護オノマトペ法」の実践と教材作成を行う。 ①健常,フレイル,後期高齢者の各5名を対象に「起立前看護オノマトペ法」を実践し,起立時の効果を評価した。その結果、健常高齢者では「起立前看護オノマトペ法」を実施する前の状態として、フレイル高齢者と後期高齢者において、起立時の血圧低下量が大きく、起立前に回復する時間が長いというデータが得られ、健常高齢者と比べ有意差が見出された。フレイルと後期高齢者では、回復時間に有意差が見出された。次いで、「起立前看護オノマトペ法」を実施したが、健常高齢者において、回復時間が短くなるという効果が捉えられた。 ②これらのデータを参考に、医療関係の制作業者の協力を得て教材DVDを作成した。安全性を確保するための手順を整備し,老年看護学、老年医学、精神医学、理学療法学の有識者と意見交換を行うことができた。 ③筑波大学の知的財産として、「ノウハウ法」の申請を行い認定された。 ④今後の課題として、高齢者のさまざまな暮らし方や人間関係などを想定し、起立前のかけ声を単独で行うセルフ型と介護者等との協働で行う唱和型に分け,かけ声の方法と効果を明らかにする。また教材の活用による効果をハイリスク群について、特別養護老人ホームやディサービスの場に協力を求め検証することとした。本研究の最大の関心事は、「起立前看護オノマトペ法」起立時の転倒予防や介護予防であるが、転倒リスクの改善について最終的に評価を行えることを目標とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
連続血圧計の機器の購入を予定していたが、会社が変わり機器の購入に至らなかった。そのために1台の機器で測定を繰り返ししたために、メンテナンスなどで時間を要した。要介護高齢者については、特に準備体制を万全にし安全性を確保する必要があったために、データをとることが遅れた。また教材の作成については、順調に進み、こちらを優先して計画を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
教材が作成できたため、今後は、健常,フレイル,後期高齢者と要介護高齢者について、教材を活用することによる効果の検証を行い、教材としての活用可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
連続血圧計を購入する予定であったが、会社が譲渡され、連続血圧計がバージョンアップすると共に価格が350万円を越え高額となったために結果的に購入できなかった。次年度使用額が上記のようになったが、連続血圧計の機器については、現在レンタルなどの対応を取るか、他の機種などで対応可能かの検討を行っている段階である。次年度は、教材の効果検証を行うために連続血圧計の機器が必要であり、これまで予定していた機器の変更を含めて早急に情報を提供してもらい対応する予定である。
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